1990年7月4日生まれ、群馬県出身。2010年8月より行われた「第3回劇団EXILEオーディション」でに合格し、舞台「ろくでなしBLUESブルース」で俳優としてデビュー。その後は、連続テレビ小説「花子とアン」(14年)や「流星ワゴン」(15年)、「人は見た目が100パーセント」(17年)らのなどのドラマや、映画『HiGH&LOW』シリーズなどに出演し、俳優としてのキャリアを積んでいる。現在NHKドラマ10「女子的生活」に後藤忠臣役として出演中。今年、6月1日に映画「OVER DRIVE」が公開予定となっている。
「LDH JAPAN」と「国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」がコラボし、作詞家・小竹正人の詩の世界観を、個性的な6人の映画監督が映像で表現したオムニバス映画「CINEMA FIGHTERS」。
その一編『終着の場所』で主演を務めたのが、映画やドラマでキラリと光る演技を見せている町田啓太だ。短編映画ならではの余白と省略を、役への理解度で見事に表現した町田が、本作の見どころや、俳優としての向き合い方などを語った。
町田:一つのエンターテインメントとして、いままでにない挑戦だなと思いました。小竹正人さんの詩を元に、名だたる映画監督が脚本を書いて映像化していくという取り組みはすごく魅力的で、参加させていただけたことに感謝しています。
町田:脚本のなかにも余白があったので、その部分を埋める作業を常盤(司郎)監督とディスカッションしながら作り上げていく作業はとても楽しかったです。(恋人役の小河加奈子を演じた)玄理さんとの関係性なども、常盤監督と3人でSNSを作って、監督のお題に、僕らが役としてやり取りをしたりしました。
町田:常盤監督が柔軟な方で、SNSのやり取りが劇中に反映されていたり、良いと思ったものは取り入れていただきました。作品を一緒に作っている感覚がすごく強かったです。
町田:監督さんによって方法は変わってくるので、自分のスタイルというものがあるわけではありませんが、わからないことは聞かないと解決しないので、質問することや、役柄をブラッシュアップしていく時間は大切だと思っています。監督は作品全体を見る立場の人ですが、役については演じる俳優が一番向き合わなければいけないですからね。
町田:大切な人には話したいけれど、話してしまうのが怖いという隠し事って、多くの人が持っていると思うんです。そして、パートナーは、それを知ったときどういう態度をとるかによって本質が問われると思うんです。こうした部分をリアルに表現したいという思いはありました。見た方が「もし大切な人から隠しておきたかったような重大な事実を知らされたら、どんな思いになるのだろう」と考えていただけたらうれしいですね。
町田:気にしたくないけれど、多分気にしてしまうと思います。でも相手を理解したいと思いますし、寄り添いたいなと思う相手だったら、秘密にされるより話してもらった方がうれしいです。しっかり腹を割って話ができたら、前よりも近づけると思います。「話したくない」とシャットアウトするのは簡単ですが、相手が踏み込んできてくれたら、全力で受け止めたいとは思っています。
町田:最近、映画でもトランスジェンダーを扱った作品が増えてきていますし、このドラマも決してネガティブで重い話ではなく、とてもポジティブになれる話なんです。僕自身もいろいろと勉強になっていますし、とてもすがすがしい作品になっているので、ぜひ期待してほしいです。
町田:基本的にはネガティブに考えてもしょうがないという思いはあります。
町田:節目節目で、関わってくださった方々の言葉や思いで何とかやれています。
町田:最初に劇団EXILEに入ったときの舞台(「ろくでなしブルース」)を怪我で降板してしまうことになったのですが、そのとき、僕自身は「残り数公演なので、舞台を続けさせてください」と伝えたのです。でもHIROさんが「将来があるのだから、無理をせずすぐに降板しなさい」と言ってくださったんです。自分のミスで怪我をしてしまったのに、先のことを考えてくださった気持ちがとてもうれしかったですし、HIROさんの大きさを感じました。いつか恩返ししたいというのが俳優業を続けている一つの原動力になっています。
町田:僕の始まりの場所でもありますし、僕が加入したとき、青柳(翔)さんが連続ドラマに少し出るようになっていたのですが、劇団のメンバーみんなで「オー」って盛り上がっていたのを思い出します。「みんなで頑張ろう!」という思いでやって来たので、メンバーがそれぞれの場所で、自分の持てるものを出して頑張っている姿を見ると、とても刺激になりますし、僕にとっては本当に大切な場所です。
(text&photo:磯部正和)
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