1994年12月2日生まれ、東京都出身。清水富美加として芸能界デビューし、『仮面ライダーフォーゼ』(11年)や、連続テレビ小説『まれ』(15年)、映画『HK 変態仮面』シリーズ(13、16年)、『龍三と七人の子分たち』(15年)などに出演。17年に千眼美子へと芸名を改名。
女優・清水富美加が、宗教家・千眼美子(せんげん・よしこ)として再スタートを切った映画『さらば青春、されど青春。』。本作で千眼は、大川宏洋(おおかわ・ひろし)演じる主人公・中道真一(ちゅうどう・しんいち)と運命の出会いを果たし、ある決断をする強い女性を演じた。
久々の撮影現場に「ブランクを感じた」と胸の内を明かしたものの「これまでとは違うスタンスで映画作りに臨めました」と目を輝かせて語った千眼に、宗教家になった現在の心境や、過去との変化などを聞いた。
千眼:以前は、ほぼ毎日お芝居する状況が続いていたのですが、半年お休みをいただき、時間が空いたので「カメラの前でお芝居をするのってどんな感じだったっけ?」とブランクを感じた部分はありました。でも(赤羽博監督率いる)赤羽組がとても優しかったので、いい雰囲気で現場には入れました。
千眼:自分がなぜその作品をやるのか、どうしてその役を演じるのか、その作品を通してなにを伝えたいのか、ということをしっかり自分のなかで明確にして臨むことの大切さをより実感しました。
千眼:恋をしたり人を愛したりという経験は誰にでもあると思うのですが、相手への思い方というのは人それぞれだと思うんです。額田美子さんという女性は、愛する人の背中を押すためにつらい決断をする女性。そういう姿が潔くて格好いいなと思いました。純粋に相手のことを思う姿を意識して演じました。
千眼:(幸福の科学が)映画製作をしているのは知っていたのですが、最初は「主題歌を歌いませんか?」とお話をいただいたんです。さらに出演のお話もいただいたのですが、そのときはうれしさと同時に不安もありました。以前とは状況が違うというのはわかっていましたし、自分が周囲からどんな風に見られるんだろうというのも気になりました。でも、ずっと応援してくださっている方に元気な姿やお芝居を見ていただけるチャンスだと思いましたし、作品のメッセージ性にも共感したのでがんばろうと思ったんです。
千眼:宗教家兼女優って「なんなのそれ?」って感じじゃないですか。自分で選んだ道なので、しっかりとビジョンを持ってやるということは結構難しいことです。いろいろな人の意見を聞くようにはしていますが、聞くべきところ、参考になるところ、聞き過ぎてはいけないところ、傷つけられるところ……SNSをやっているので、さまざまな意見に悩んだこともありましたが、そこでブレずにしっかりやることも大切だと思いました。
千眼:大きいです。今までは「なにかが伝わったらいいな」という感じで、作品選びなどは丸投げだったのですが、いまはしっかり自分で考えながら作品に取り組んでいます。
千眼:まさに出家ですよね(笑)。いままでは演じるとき、自分の身を削っているというイメージが強かったのですが、これからは学んだことを取り入れながら、作り出していくことが必要だと思っています。清水富美加時代は、役柄になりきって、どこまで入り込めるかというのが勝負でしたが、いまはそういったことも必要ですが、より自分の軸を安定させて、そこに役を近づけるような形にしていければと思っています。
千眼:もともとそういう人間だと思いますが、以前は努力してそう見せていた部分はありました。どちらかというと、忙しくてハイになっている感じだったのかも。
千眼:昔は目の前のことをこなすことで必死だったのですが、いまは宗教家らしく、自分を見つめる時間を設けて、政治、経済、英語、他の宗教のことなどの勉強をする時間もしっかりとっています。いまは学生(がくしょう)の身分になったという感じです。
千眼:私も最初はまったく違うものなので、どちらかにしなくては無理だと思ったのですが、考えていくと、ドラマや映画で描く物語は、人と人とのつながりや、なぜ人は生まれて死んでいくのだろうという宗教的な部分にリンクすることが多いと感じたんです。宗教的な悟りを高めていくことによって、女優として伝えたいことも広がっていくと思っています。
(photo:勝川健一)
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