『劇場版 ドルメンX』志尊淳×浅香航大×小越勇輝×堀井新太インタビュー

イケメン4人が語る“アイドル論”

#堀井新太#小越勇輝#志尊淳#浅香航大

かっこ悪くてもいいから伝えることって大事だと思いました(志尊)

イケメン宇宙人4人が地球侵略のためにアイドルを目指す、高木ユーナ原作の人気コミック「ドルメンX」が実写化された。2018年3月に全4回にわたって放送されたドラマシリーズに加えて15年後の姿まで描かれたのが『劇場版 ドルメンX』だ。本作で宇宙人を演じた隊長役の志尊淳、イチイ役の浅香航大、ニイ役の小越勇輝、サイ役の堀井新太に話を聞いた。コメディながらアイドル業界を辛辣に描いた作品を通して本音を語り、同世代の俳優仲間としての仲の良さも見せてくれた。

──出演が決まった時の感想と役への取り組みについて教えてください。

堀井新太

堀井:僕が演じたサイ役はみんなと違って一歩ひいてるキャラクターで、ネクラなオタクで物静かなんですよね。それを映像でどう表現しようかと思いましたが、考えても仕方がないから試行錯誤しながら役をつかんでいきました。

志尊:あらすじを聞いてどんな世界観なのか想像できなかったんですが、原作を読んでみると宇宙人が地球人を俯瞰で見ている視点で描かれていて。それも普段は見過ごしているような部分なんですよね。登場人物たちが本音でぶつかり合ってて、いつも僕たちは忘れてるような姿でグッときます。隊長はどんなときもまっすぐに立ち続ける役柄で大変だけどやりがいがありました。

浅香:宇宙人が地球侵略のためにアイドルを目指すなんて、おかしなことをド真面目に描いた物語で。でも、宇宙人を通して人間のまっすぐな素晴らしさが、笑いを含めて描かれているんです。同世代と作り上げていくのが楽しかったし、良い刺激をもらえました。

小越勇輝

小越:原作を読んで、自分がこれまでやってきたことと重なる部分が多かったです。ニイの器用さやかわいらしさ、アイドルのキラキラ感を出せるか、どこまでやったらわざとらしくないかと悩みました。映像での表現は舞台とはまた違うのでまた悩みどころでしたが、みんなと作り上げていくことができました。

──芸能界を厳しい目でシニカルに描いている部分もあったので、胸に刺さるときもあったんじゃないでしょうか?

堀井:ありましたね。隊長のセリフで、「俳優は…」なんだっけ?

志尊:(スラスラと)「俳優は自分の演技を求められて、歌手は自分の歌を求められて、アイドルが求められるのはその存在だ!」

浅香航大

浅香:すごい! よく覚えてるなぁ。

志尊:(作品への)愛が凄まじいからね。

堀井:このセリフが「そうだなぁ」と刺さりましたね。ハッとさせられること多かったです。他の俳優の活躍を聞くと「なんで俺じゃないんだろ?」って嫉妬を感じるときもあって。でも、それって自分に可能性があるからこそなんですよね。

志尊:さっき勇輝もいってた通り、僕も自分と重なる部分がありました。普段、自分は見せることのない面だけど、そこをリアルに描いてる。でも、かっこ悪くてもいいから伝えることって大事だと思いました。プライドが邪魔して屈折してしまったことって過去に経験があるけど、自分と向き合えると成長につながると思います。

浅香:劇中で事務所の社長に「お前の戦闘力0だな」って言われるシーンがあるんですけど、心に残るセリフでしたね。実際に言われたら……と思うし、自分の戦闘力ってどのくらいだろう?って考えちゃって。つい他の人と比べてしまったりするけど、嫉妬と向き合うことで嫉妬をバネにすることもできると思いました。

志尊淳

志尊:嫉妬しなさそう。

浅香:冷めてるからね、基本的には。でも、久々に同世代の役者とガッツリ仕事すると良い刺激をもらいますね。

志尊:劇中と重なるよね。おごタンはどうだった?

小越:原作を読んでいるときからグサグサきていて。読み返しては、(心に)クルなーって思ってました。今まで(自分を)ごまかしていたり、表に出す必要はないから出してこなかったりしていたことですけど。今回は共感することが多くて、ストレートにぶつかりながらやっていました。

このメンバーで良かった(浅香)
左から堀井新太、志尊淳、浅香航大、小越勇輝

──ダンスシーンは見ていてワクワクしましたが、演じられていかがでしたか?

志尊:役柄として一生懸命やるのと、自分が実際にダンスを覚えるのと重なりました。がむしゃらに必死でもがいて楽しかったです。

堀井:部活みたいでした。汗だくになってハラペコで、学生時代みたいでしたね。現場に来るのが楽しかったです!

浅香:このメンバーで良かったなって。

堀井:みんな言ってるよね。

『劇場版 ドルメンX』
2018年6月15日より全国公開
(C)高木ユーナ/小学館 (C)2018「劇場版 ドルメンX」製作委員会

志尊:航大くんはクールなのに、終わったときにみんなでご飯に行こうって誘ったら来てくれて。みんなで握手して、このメンバーで良かったって言い合ったんです。そんな作品なかなかないです。勇輝も感情的なタイプじゃないけど、一緒に盛り上がってくれてすごい嬉しかったよ。

小越:(照れ笑いしながら)はい、ありがとう。

(text:入江奈々/photo:勝川健一)

堀井新太
堀井新太
ほりい・あらた

1992年6月26日生まれ、東京都出身。『マッサン』、『下町ロケット』など話題のTVドラマに出演し、『西郷どん』では村田新八役を務める。映画では『ズタボロ』『青空エール』『生きる街』などに出演。

小越勇輝
小越勇輝
おごえ・ゆうき

1994年4月8日生まれ。東京都出身。3歳で子役デビュー。2010年にミュージカル「テニスの王子様2ndシーズン」に主演し、2014年に通算500回公演出演を達成。2016年、BSスカパー!ドラマ『弱虫ペダル』で連続ドラマ初主演を果たす。ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』(19年)、『そして、ユリコは一人になった』(20年)、映画『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。2』(19年)など、話題作への出演も多数。本作『人狼ゲーム デスゲームの運営人』(20年)が映画初主演作となる。また無観客収録でのワンショットドラマ『キ上の空論 うちの鼠は沈む船を見捨てぬ。』がVimeoにて11月に有料配信予定。

志尊淳
志尊淳
しそん・じゅん

1995年3月5日生まれ、東京都出身。2014年『烈車戦隊トッキュウジャー』に主演。TVドラマでは『表参道高校合唱部!』、『きみはペット』、『半分青い』に出演。映画では『帝一の國』、『覆面系ノイズ』に出演し、2018年秋には主演映画『走れ、T校バスケット部』が公開予定。

浅香航大
浅香航大
あさか・こうだい

1992年8月24日生まれ、神奈川県出身。2011年、『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス』でTVドラマ初出演を果たし、『マッサン』『ひよっこ』などに出演。映画では『桐島、部活やめるってよ』『悪の教典』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』などに出演。