1968年2月12日生まれ、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルス出身。『グーニーズ』(85年)で映画デビューし、テレビシリーズなどで脇役を多く演じる。『ノーカントリー』(07年)、『ミルク』(08年)などで高い評価を得る。主な出演作は『オールド・ボーイ』(13年)、『インヒアレント・ヴァイス』(14年)、『デッドプール2』(18年)など。
巨大山火事に挑んだ20人の男たち──山火事に立ち向かう精鋭部隊、ホットショットの実話を描いた『オンリー・ザ・ブレイブ』が、6月22日より公開される。2013年にアメリカのアリゾナ州で発生した山火事をめぐる物語で、チームの指揮官エリック・マーシュを演じたジョシュ・ブローリンに話を聞いた。
ブローリン:森林火災とは全然違うけど、以前、予想もつかないような出来事が僕の身に起こって、それがあまりに突然だったからすごく怖い思いをした。命の危険を感じたんだ。そういうことがあると、人生観が変わってしまう。消防隊員たちは何度も何度もそんな状況に身を置いているといえる。
そんな人たちのそばにいると、自分がすごく謙虚になることが分かった。自分では時にはタフにもなれると思っていても、ファーストレスポンダー(※)や同様の仕事をしている人たちとは比べ物にならない。彼らは、他人のために頻繁にすすんで危険に身をさらすわけだから。
(※「最初の対応者」を意味し、けが人や急病人などを救急隊に引き継ぐまで、的確な応急手当てをする人々を指す)
ブローリン:20代の前半、ボランティア消防隊に入っていたんだ。俺はそのころ、建築物火災などいろんな訓練を受けていた。毎日、無我夢中だったよ。だから消防士の人生、コミュニティーというものについて知っている。よくいっしょに活動したからね。とてもいい経験だった。彼らが毎日厳しい訓練を積んでいることもよく知っている。どんな時も気を抜かない。すごいことだよ。心から尊敬している。
ブローリン:常に死神につきまとわれているようなもんだ。だがそれは当然で、仕方のないことだ。火事が隊員たちの手に負えなくなれば、大惨事になる。山火事はいつでも起こる。しかも火は、瞬く間に広がる。隊員たちは今日も市民の安全のために、途方もない危険に身を投じている。いつも死と隣り合わせだ。彼らほど生きていることを実感している人間はいないよ。でも誰かがやらなければならない。彼らは手柄を立てるためにやっているんじゃない。必要なことなんだ。
ブローリン:ああ、危険だった。危険極まりない。だから人間は火を消そうとする。たき火をしても。だが乾燥している地域だと、大変なことになる。撮影用に山火事を2度起こした。もちろん消火するためだが、一時は手に負えない状態になった。大変だったけれど何とか消したよ。現場には本職の消防隊がスタンバイしてくれていたし 俺たちの腕も良くなっていた。本職ほどではないが、消火技術がだいぶ身についていたからね。
ブローリン:アマンダたち家族のことは、この映画の撮影前や撮影中より、その後からの方がよくわかった。どの家族も、最初から俺たちに心を開いてくれていたんだ。みんな、それぞれの経験をいつも率直に話してくれた。ただ純粋にね。アマンダはもう、実の妹みたいなもんだよ。しょっちゅう連絡をとってる。他愛ないものもあるが、どの話からもエリックの人柄を感じる。とにかく俺は、全身全霊でエリックを演じた。この映画を通して、エリックという人間をわかってもらいたいんだ。
ブローリン:ジェフとは長い付き合いだし、映画で共演経験もある。そして、面白いことに……というのは、ジェフはいつも音楽に没頭するんだ。いつも躍起になってね。彼がデュエインと出会い、デュエインがラスティー・ピストルズ・バンドを率いているのを知ったとき、ジェフは夢中になっていた。何と言うか……2人はすぐに意気投合してすごく親しい友人同士になったんだ。ジェフは俳優として本当に優れているんだ。それに気さくで誰とでも打ち解ける。そして彼は役の人物たちに本当になりきることができるんだ。昨日、本作をもう一度見返したんだけど、ジェフはやっぱりすごくいい仕事をしていると思うよ。仕事の面でも人間としても、師と仰ぎたくなる人物だ。その関係が本作でも役に立った。
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