1996年7月4日生まれ。福岡県出身。2012年『カルテット!』で映画初主演を飾り、2013年『仮面ライダー鎧武/ガイム』で仮面ライダー龍玄に抜擢される。2017年『散歩する侵略者』で毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞。他に『逆光の頃』(17年)、『プリンシパル〜恋する私はヒロインですか?〜』、『虹色デイズ』(共に18年)など話題作に多数出演している。
2017〜2018年の公開映画が10本を数えるなど充実一途の俳優・高杉真宙が、初の声優に挑んだ作品『君の膵臓をたべたい』が公開を迎える。
本作は、浜辺美波&北村匠海で実写映画化もされた、住野よるによる同名小説のアニメ映画化。高杉は、以前から「マンガやアニメが大好き」と公言しており「この仕事をはじめたときから、いつか声優の仕事ができれば」と夢見ていたという。そんな高杉が、「理想と現実のギャップに悩んだ」と率直な胸の内を明かしたアフレコについて振り返った。
高杉:僕はマンガやアニメ、ゲームが大好きなので、最初にお話をいただいたときは、嬉しかったですし夢が一つ叶ったと思いました。でも現実的なことを考えると、めちゃくちゃ緊張してきました。自分が大好きな世界であるがゆえに、現実と理想のギャップがあり、それをどうやって埋めようかと悩みました。
高杉:そうですね。こういう仕事をするようになってから、いつか好きなアニメの監督さんとご一緒できたらいいなという気持ちはありました。単純にアニメの仕事自体にも興味があったので、見るだけにはとどまらない思いは持っていました。
高杉:ドラマや映画、舞台など、キャラクターの役作りはやっていくのですが、アニメと実写では、技術的な表現方法が違うんです。練習方法は調べたりもしたのですが、そんなに簡単にいくわけもなく……。今回、監督からは「そのままでいい」と言われていたのですが、どうしても自分のなかでしっくりいかなかったので、やっぱり最後まで悩みは多かったです。
高杉:実写作品の場合、どうしたら自然体に見えるかを意識していて、あまりセリフでお芝居をしないように心掛けていたのですが、声優の仕事は、声だけでお芝居するわけで、抑揚をつけるなど、分かりやすくしなければいけないと思っていたんです。でも僕が演じた“僕”という役は、あまり感情を表に出さない子で、さじ加減がとても難しかったです。
高杉:どの現場でもそうなのですが、その場で感じたものを大事にしたいと思っているのですが、この現場でも、そういう瞬間がありました。実写ではない声の現場で、自分の考える演技ができたことはすごく楽しかったです。
高杉:小説と台本を読んで「僕」というキャラクターの本質を考えていったのですが、非常に複雑なんです。そんななかでも、一番感じたのは「怖がり」ということ。あとは、小説とアニメでは、少しキャラクターが変わっているなと感じました。小説だと結構、桜良とボケとツッコミのような応酬があるのですが、アニメ版はより大人っぽく仕上がっていて、より殻に閉じこもっている感覚が強くなっていると思いました。「まったくこの子は!」と思いながらもどかしい気持ちでしたね(笑)。
高杉:すごく心地よく楽しかったです。現場では順録りだったので、徐々に打ち解けていく感じや、桜良のことが素敵だなと思ってからの心の変化なども、しっかり考えてやっていきました。(桜良役の)Lynnさんのお芝居によって、感情が出たりすることは結構ありました。
高杉:僕の殻を破ってくるような異性の方は、周囲にあまりいなかったので分からないのですが、同性ではいるので、高杉真宙自身を尊重しつつ、グイグイと来る人は嫌じゃないと思います。
高杉:アニメの世界でずっと気になっていたのが、監督さんがたくさんいるということだったんです。音響監督さん、作画監督さんなど、それぞれの持ち場でディレクションを行っているのを見て、かなりテンションが上がりました。あとは、他の声優さんの掛け合いを聞いていたのですが、目を閉じると、もうアニメなんです。そのシーンの収録をスタジオ内で観たときは泣きそうになりました(笑)。
高杉:僕はあえて見ませんでした。観たら余計緊張しそうだなという思いもあったのですが、そもそも原作自体にたくさんの評価がされていて、さらに実写映画も評価されていたので、自分はそういった声に影響を受けずにやらなければいけないという思いが強かったんです。
高杉:中学生ぐらいのときは、すごく気になっていて、漫画のアニメ化でも気にしていたぐらいです。でも、実写化される作品に携わるようになったからかもしれませんが、いまはフラットな気持ちです。キャラクターに対しては人それぞれ、思いや解釈は違うと思うので、あまり気にしていません。
高杉:個人的にはできるだけキャラクターに寄せたいという気持ちと、自分の解釈でという気持ちが半々ぐらいですが、僕らの仕事は台本が教科書なので、それを一つの柱として、どうやって原作のキャラクターに寄せつつ、肉付けしていくかを大切にしています。
高杉:ぜひやりたいです。大変な部分も多かったですが、やっていくうちに楽しくなりましたし、夢が叶ったという部分と、もっと夢が膨らんだという思いも強くなりました。深夜アニメとかにも挑戦してみたいです。
(text:磯部正和/photo:小川拓洋)
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