1967年2月19日生まれ、アメリカの自治領・プエルトリコ出身、ペンシルバニア育ち。大学在学中に俳優を志し、『ユージュアル・サスペクツ』(96年)で注目を浴びる。『トラフィック』(00年)で、プエルトリコ人としては初となるアカデミー賞(助演男優賞)を受賞。『21グラム』(03年)でもアカデミー賞にノミネートされた。『チェ』二部作(08年)でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。その他、『007 消されたライセンス』(89年)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17年)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18年)などに出演。
アカデミー賞3部門にノミネートされたクライムアクションの続編『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』が、11月16日より公開される。
アメリカ・メキシコの国境地帯で展開する麻薬戦争をリアルかつ衝撃的な映像で描いた作品で、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ ブローリンの2大名優の共演でも話題を呼んだ。
今回の続編にも出演し、孤高の暗殺者を演じたオスカー俳優、ベニチオ・デル・トロに話を聞いた。
デル・トロ:まず初めに脚本を読んだ時、とても個性的で世界観が出来上がっていると思った。まずそれがモチベーションになったし、(前作に続いて演じた暗殺者)アレハンドロの物語を探求する機会でもあった。それから(5回目の共演となる)主演俳優のジョシュ・ブローリンだ。彼との仕事はすばらしい。カメラの前ではとても真剣だしウソをつかない。だけどカメラの後ろでは面白いし、よく笑うんだよ。
デル・トロ:(麻薬王の娘を演じた)イザベラ・モナーは撮影中16才だったが、キャリアの長い俳優の中にいても引けを取らなかった。すばらしい才能を持ってるよ。CIA特別捜査官を演じたジェフリー・ドノヴァンは、ジョシュと同じようにカメラの前ではすばらしい。それからラテン系の俳優たちも素晴らしい。(不法入国ビジネスを支配する)マヌエル・ガルシア=ルルフォはメキシコ出身だ。彼が演じたメインの悪役はとてもよかった。キャサリン・キーナーやマシュー・モディーンら、皆素晴らしかった。いい役者たちとチームを組めることは、役者として とても楽しい。
デル・トロ:脚本については、規模が大きくなった。何というか、より凶悪になっているし、前作より壮大だ。そして予測不可能だね。テイラー・シェリダンの脚本はすごくいい。興奮するような内容だよ。人物の描き方もすばらしいし、会話もいい。この続編でもワクワクしたよ。
デル・トロ:僕が思うにアレハンドロは、大人しくしていたのにマット(ジョシュ・ブローリン)に呼ばれ新たな任務に就く。そう、新たな任務なんだ。この映画で描かれる任務を通じて、多くのことが明らかになる。感情的になりすべてを奪われてしまうんだ。
デル・トロ:(気をつけたのは)アクションの緊張感を保つこと、闘いの起こる状況自体をね。そしてキャラクターの進化を維持することだね。僕の演じたアレハンドロや、ジョシュの演じたマットの曲線的な進化だ。これは少し複雑な問題だ。この進化は、爆発や走ったり、泳いだり撃ったりする中で展開する。だから、決定的な進化の瞬間というのはないんだ。戦闘や危機の中で、少しずつ起こっていく。それがこの映画のトリッキーなところだよ。キャラクターがどう進化していくか、リアルタイムの出来事を描いていて、物語は3〜4日間の話だ。だからとても短い中にいろんなアクションが詰まってる。面白いものがすべてね。
デル・トロ:アレハンドロは多分、娘と一緒に経験したはずの人生を繰り返すことになるんだ。そのことによって、彼の中でなにかが変わっていく。イザベルはカルテルのボスの娘だが、彼らの関係は変化していく。娘に起こったはずのことを、カルテルのボスの娘にしているうちにね。彼は心を開いていき、同情が生まれるというか、仇敵の娘にそういう感情を持つようになる。
デル・トロ:監督はとても柔軟で、それがよかった。ジェフリ・ドノヴァンや、ジョシュや僕は前作で同じ人物を演じている。監督は臨機応変に許容してくれたんだ。僕ら自身のキャラクターの解釈や、続編でそれを発展させることもね。
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