1983年2月21日、フランス・パリ生まれ。父親は声優、母親はバレリーナ。16歳の時にジェラール・ドパルデュー監督作『Un pont entre deux rives』(1999年)で女優デビュー。『マイ・ファミリー 遠い絆』(2006年)に主演し第32回セザール賞有望若手女優賞と第12回リュミエール賞の新人女優賞を受賞、第57回ベルリン国際映画祭でシューティング・スター賞を受賞。映画監督としても活動しており、デビュー作『De moins en moins』(08年)で第61回カンヌ国際映画祭の短編コンペティション部門に出品、長編2作目『Respire』(14年)は第67回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門で上映された。エル・ファニングが主演した監督最新作『ガルヴェストン』(18年)は2019年に日本公開された。一般男性との間に息子が1人いる。
戦場に赴いた婚約者を思い病に伏せってしまったご令嬢。心配した姉がついた嘘が、とんでもない事態を巻き起こすことに!
19世紀初頭のフランスを舞台にした本作は、『アーティスト』のオスカー俳優ジャン・デュジャルダンと、『イングロリアス・バスターズ』のメラニー・ロランが豪華共演を果たしたロマンティックコメディだ。
小気味よいセリフのやりとりが笑いを誘う本作について、騒動の原因を作り出してしまう姉・エリザベットを演じたメラニー・ロランが語った。
ロラン:フランスには、各年代の素晴らしいお城がたくさん残っていて、とても幸運だわ。お城を訪れると、歴史に捕らわれて時間を超えて過去に戻ったような気持ちになるの。ラッキーなことに、お城のオーナーが映画の撮影にとても協力的だったので、特にお城での撮影に関して困ったことは何もなかったわ。
ロラン:確かにコメディはとても疲れたわ。撮影初日、ボロ布を羽織って、毛むくじゃらのヒゲを蓄えて駅馬車で到着したヌヴィルに、エリザベットが気づく場面……2人してものすごい量のセリフを何度も何度も繰り返して、体力的に求められているものの大きさを思い知らされたわ。走ったり、転んだり、ジャンを捕まえたりしなければならず、最初はほとんどヒステリック状態。セリフは1ヵ月間真剣に練習したので暗記していたけど、流れで全てのセリフを言って何度もやり直す必要があり、疲れきってしまって。監督から朝の5時に“カット”と言われた後、ベッドに直行したの。こんなに疲れたのは初めてよ。
でも、この作品の撮影はとても楽しかった! 今のところすごく好きな監督業に力を入れたいと思っているので、次の予定は何も決まっていないけれど、またコメディをやる機会があればとても嬉しいわ!
ロラン:コメディというジャンルに飛び込むのを何年も恐れていたの。だからこういう役を演じることになるなんて予想外よ。ジョルジュ・フェドーの芝居にあるような恋の駆け引きは、刺激的で演じるのが楽しいのはもちろんだけど、私の心を掴んだのはエリザベットの喋り方。私も早口だから、勢いが全く同じなの! この非常に変わり者で強いヒロインにすぐさま心を奪われ、最終的には楽しみながらやりきることが出来たと思うわ。肩を持つには、かなり突拍子もない役柄だけど(笑)。
ロラン:私は確立した人間性や信念を持つ女性の役ばかりを好んで選ぶから、「私は犠牲者or被害者です」みたいな役は今まで演じていないと思う。自然な演技が出来る要素が役の中にあるのかを常に見ているの。実は以前にもコメディ作品のオファーはあったのだけど、求められていることが不自然に感じてしまって受けられなかった。エリザベットは間違いなく時代に先んじた男女同権主義者で、自分自身を守ることができ、わが道を行くアーティストでもあるけど、それに加えて彼女は意図せずとも楽しい女性でもあるわよね(笑)!
ロラン:ジャンのことは役者として尊敬はしていたけど、知り合いではなかったの。初めて読み合わせをした時から優しく気遣ってくれた。自分のキャリアのなかで幸運な出会いの1つになったわ。疑問を持った時は、いつも手を差し伸べてくれるし、自分の限界を超えることを教えてくれた。でもプレッシャーをかけるようなことは絶対にしないの。だから撮影中はずっと、小さな子どものように楽しんでいられたわ。コメディー映画の撮影は要求が多く正確さも求められるし長くて退屈だと聞いていたんだけど、この現場はいつも素晴らしい笑いに溢れていて、最高の仲間と撮影できたんだと思うわ。私、ジャンが大好き!
ロラン:子どもを持つことは、今自分が生きている世界、またこれから子供が育つ世界についてたくさん考える機会になったわ。(2016年12月23日に日本公開された)『TOMORROW パーマネントライフを探して』という環境や政治、社会問題についてのドキュメンタリーを作り始めたのも、子どもを持つことがきっかけよ。気象問題は次世代が向き合わなければいけない一番の問題だと思うの。子どもを持つことは自分を成長させてくれたし、子どもに対してだけでなく周りの皆に対しての責任感も芽生えた。だからこの問題についてもっと深く考えるようになったわ。
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