1950年8月15日生まれ。アメリカ合衆国 インディアナ州インディアナポリス出身。『ゾンビ』(1978年)、『マッドマン・マーズ』(1981年)、『クリープショー』(1982年)などに出演。 『ゾンビ』では、ケン・フォリー演じるSWAT隊員ピーター・ワシントン共に、ショッピングモールに立てこもるテレビ局員フラニー役を演じている。
ジョージ・A・ロメロ監督がメガホンを取り、ホラー映画の金字塔として世界中の映画ファンに愛されている『ゾンビ』。1978年の公開以来、複数の編集バージョンが存在している本作だが、この度配信・ソフト化されてこなかった『日本初公開版』の再上映がクラウドファンディングによって実現。11月29日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開となった。
そんな本作を記念して、SWAT隊員ピーターを演じたケン・フォリーと、テレビ局員フランを演じたゲイラン・ロスが来日。当時のエピソードやゾンビへの熱い思いを語ったほか、動画撮影では即興でゾンビに怖がる表情を見せてくれる一幕も。さらに、写真撮影ではゾンビポーズのリクエストに「私たちはゾンビじゃないからダメ(笑)」(ロス)とお断りするなど、ユーモアたっぷりな人柄も振りまいていた。
ロス:日本に来られてとても興奮しています。あれから40年なんて信じられないです。あの頃はこれがクラシックになるとは思っていなかったですし、当時生まれていなかった若いファンが日本にもいるなんて、この映画は国境や海、世代や言語の壁も飛び越えていったのだと思っています。
フォリー:今も動き回っているよ。僕の孫や甥とか姪も、みんなこの映画を見てるんだ。今後もあらゆる世代が楽しめる名作だよ。そんな映画に出られて嬉しいよ。
ロス:おかげで日本に来られたしね。
フォリー:そうだね。
フォリー&ロス:そうなんだ!(笑)
フォリー:あの撮影は僕たちにとって冒険であり夢みたいだったよ。ショッピングモールに住んで好き放題やって、生き延びて。カウボーイになった気分だね。毎日とても楽しかった。僕たちもとても若かったしね。
ロス:若かったわね(笑)。当時はヴァンパイアなどはあっても、ゾンビが何かは誰も知らなかったの。今でこそ誰もが知っていて『ウォーキング・デッド』など色々と撮られているけど、ジョージ・A・ロメロ監督が発明して世界共通語になった、とても独創的なアイデアだったわ。死者が蘇って人間を食べたり、頭を撃たれると死んだりね。
フォリー:うん、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』から始まって、後にも先にもゾンビ映画が作られたのはロメロ監督のおかげだね。『ナイト〜』は僕自身とても夢中になったし、世界中があの作品に興奮したよ。この映画では僕が黒人として主役級の役に採用されたというのも当時は驚きだったしね。どちらも低予算映画だけど、それでも素晴らしい映画が撮れるという事を示した映画だったと思う。
ロス:今は走るゾンビやアニメなど色いろなものがあるけど、ロメロ監督の映画からレガシーとして伝わってると思う。例えば、(本作で)最後に暴走族にゾンビが襲われるシーンがあるけど、あそこで観客はゾンビのことをかわいそうと共感したり、そういう部分も色々な作品に伝わっていると思うわ。
フォリー:『ウォーキング・デッド』や『ショーン・オブ・ザ・デッド』に『28日後…』とか、ほかにもゾンビとは言っていない(モンスター映画のような)作品でも、ロメロ監督の影響を受けている作品はたくさんあると思うよ。ただ、キャラクターやストーリーテリングの部分ではやっぱりロメロ監督が一番だと思うな。
フォリー:日本の皆さん、『ゾンビ-日本初公開復元版-』を楽しんでください。素晴らしい映画で、まだフレッシュだよ!
ロス:40周年記念で来られて嬉しいです。40年経ってもまだまだ素晴らしい映画です。ゾンビは怖いので、あなたもショッピングモールにいったら襲われるかもよ(笑)
(text&photo:ナカムラ ヨシノーブ)
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