1992年2月11日生まれ、神奈川県出身。2009年女優デビュー後、映画やドラマ、舞台で数々の作品に出演。2017年には映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で映画初主演。翌年には、NHK連続テレビ小説『まんぷく』(18年)でも注目を集める。2020年、映画『愛がなんだ』で、第11回TAMA映画祭新進俳優賞、第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
驚きの実話が映画化されることは多いが、『前田建設ファンタジー営業部』では、あるサラリーマンたちの“無謀な挑戦”を描いている。その挑戦とは、「マジンガーZの地下格納庫を作る」というものだが、実際に建設をするわけではない。実物を作るのとまったく同じように設計図や見積り完成させるだけで、あくまでも「心の中に建設する」という前代未聞のプロジェクトだ。
そんなまさかの実話を若手サラリーマン役の高杉真宙をはじめ、上司役の小木博明、先輩役の上地雄輔といった幅広いキャストたちが再現している。そのなかで唯一の女性でやる気のない部員・江本を演じたのは、『愛がなんだ』などで高く評価されている若手女優の岸井ゆきの。NHK連続テレビ小説『まんぷく』では、当時26歳にして14歳の役に挑んだことでも話題となった。今回は、本作の撮影秘話からオタクな一面までを明かしてくれた。
岸井:休憩時間も休みにならないくらいお話をしていて、特に小木さんと上地さんは、セッティングチェンジの空き時間でさえもずっと話していましたね(笑)。でも、休憩中にみんなで一緒に本読みをしたりもしていたので、ある意味すごくまじめな現場でもありました。色んな意味で、すごく楽しかっただけに、撮影が終わってひとりぼっちになって帰るときが寂しくなるほど、充実していたと思います。
岸井:笑いそうになったことは何度もありましたが、それでも英(勉)監督は絶対に止めないんです。なので、本編を見たときも、「これ普通に笑っちゃったところじゃない?」というようなシーンが入っていたりもしていて(笑)。でも、監督はそういう空気感を大事にしていましたし、台本通りにいかないハプニングも楽しんでいたと思います。それは、休憩時間の雰囲気があったからこそできた部分だったんじゃないかなと感じました。
岸井:近いところというか、今回は実際に福島にあるトンネルに行き、掘削の様子を見せていただいたんですが、そこでめちゃくちゃテンションが上がってしまったんです。掘削現場を見学するシーンは、スクリーンからも迫力が伝わると思いますが、私も素で驚いてしまいました。
岸井:台本には「寝る」ではなく、「宇宙に行く」と書かれていて最初は悩みましたが、私なりの宇宙に行ってみようと思ってやってみたところ、監督から「それそれ!」と言われたので、そのまま演じました。私としては、「どこかに行ってしまっている」というイメージの顔でしたが、出来上がった作品を見て、「こんな顔してるんだ!」と自分でもびっくりでした(笑)。
岸井:一つのものを好きになって、没頭しているとオタクと呼ばれてしまう印象がありますが、私はすごく素敵なことだと思います。ただ、それが山田さんみたいに、岩や掘削が好きだと言われるとさすがに少し驚きますが(笑)。でも、あんなふうに周りが見えなくなるくらい一つの道を極めて、学ぶ気持ちをやめないことは素晴らしいですし、そういう男性は魅力的ですよね。
岸井:演劇に対しては、ちょっとそういう部分があるかもしれません。たとえば、好きな作品があると、出演していなくても台本を買って読んでいたりするので、全部セリフを覚えてしまうんです。あるとき、好きな作品の脚本家の方と話していて、「そういえばそんなこと書いたかな」と言われて少し気持ち悪がられたこともあるくらいです(笑)。
岸井:そうですね、アニメも好きなので、『ジョジョの奇妙な冒険』や『ワンパンマン』を見たりしています。
岸井:私は『アベンジャーズ』が大好きなので、アイアンマンのスーツができるんだったら、ぜひ作って欲しいです!
岸井:もちろん! ただ、好きすぎるので、演じる演じないという話ではなくて。なので、「演じてみたいですか?」と聞かれても、「そうではなくて“なりたい”です!」というのが正確な答えなんです(笑)。
岸井:はい! 私のなかでは、CGとかではなくて、ああいう世界が本当にあると思って見ているんですよ。だから、もし撮影の裏側を見られるツアーがあっても参加したくない…。といいつつ、グリーンバックで撮影しているメイキングとかNG集も大好きで、「やめてー!」と言いながら、全部見ちゃうんですけど……。なので、もしかしたらこれに関しても、ちょっとオタクが入っているのかもしれません(笑)。
岸井:私は小柄なので、博士に体の情報操作をしてもらって、怒ったら大きくなったり、逆に原子サイズにもなったり出来る体にして欲しいですね(笑)。
岸井:最近は、大きな斧や槍のような武器を持ちたいと思っています。ピストルのように遠くのものを狙うよりも、自分で振り上げたもので攻撃するような役をやってみたいので、そういう役どころがあったらいいなと願っているところです。
岸井:アクションをしたいというよりは、武器を持ちたいんですよね。なので、たとえば斧を持っているのに、まったく使わないとかでも構わないんです(笑)。つまり、「これが私の武器です」というのを示したいだけなんですが、なかなかそういう役がなくて……。でも、小さい体で大きい武器を持っている姿は面白いと思うので、ぜひ何かのチャンスで持たせていただけたらと思っています。
岸井:ありがたいことに声をかけていただけることは増えましたが、自分自身はあまり変わっていないですね。ただ、色んな方から「あの作品見たよ」みたいに言っていただけることも増えたので、自分が出演した作品が届くようになっていることには感動を覚えています。
岸井:『愛がなんだ』のように中心で作品を作れるようになったということは、続けてきてよかったなと改めて思いました。でも、私は役が大きくても、セリフが少ない役でも、物語の中に参加できる喜びはつねに感じています。お芝居することはもちろん、作品を作ることやストーリーを深く理解することが好きなんだと思います。それは続けてこなければわからなかったことですね。私は、見ている方が自然と物語のなかに入り込めるような映画やドラマが好きなので、そういう作品に出ていたのがたまたま私だったというくらいの出会い方をしたいですし、みなさんにそう思っていただけるような作品づくりをこれからもしていきたいです。
(text:志村昌美/photo:小川拓洋)
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