1996年6月18日生まれ、埼玉県出身。2010年よりアイドルグループ「さくら学院」のメンバーとして活動を始めたのち、「Seventeen」の専属モデルとして絶大な人気を獲得。同誌を卒業後は、「25ans」や「ELLE Japan」などでモデルをつとめる。女優としても映画やドラマ、CMで注目を集め、『グッモーエビアン!』(12年)では 第67回毎日映画コンクールと第35回ヨコハマ映画祭で新人賞を受賞した。主な出演作は、『告白』(10年)や『旅立ちの島唄〜十五の春〜』(13年)など。『ダンスウィズミー』(19年)では500人の応募者の中からヒロインに抜擢され、主演をつとめた。
海外でも人気を誇っているジャンルのひとつ、ジャパニーズホラー。そのなかでも、「ハリウッドが認めたジャパニーズホラーのパイオニア」と呼ばれているのが、『呪怨』シリーズなどを手掛けた清水崇監督。最新作『犬鳴村』では、日本最凶の心霊スポットと言われるある村に関する都市伝説を題材に、新たな恐怖を生み出している。
そんな注目作で主演をつとめたのは、女優としてもモデルとしても大活躍中、ジェイ・チョウのMV出演で中国でも人気急上昇となった三吉彩花。周囲で不可解な出来事が起こり始め、その謎を解くために自身の生い立ちと向き合うことになる臨床心理士の女性・森田奏を演じている。そこで、初挑戦となったホラー映画の現場で感じたことや女優としての未来について語ってもらった。
三吉:この作品の前にミュージカルコメディの『ダンスウィズミー』をやらせていただきましたが、その役とは180度違う役柄だったので、このふり幅は面白いなと思い、純粋にとても楽しみでした。
三吉:最初はどういう映像になるのか想像できなくて、ストーリーも複雑だなと感じました。ただ、題材としては都市伝説の話でもあるので、そういう意味ではおもしろかったです。
三吉:今回は、この映画で何を一番伝えたいのかということについて、監督やプロデューサーさんといろいろ話し合いながら作っていきました。現場では、演技指導というよりも、怖がるタイミングや目線の動かし方といったことに関する具体的な指示が多かったと思います。
三吉:ピリっとした現場かと心配していましたが、とても和気あいあいとしていました。監督をはじめ、キャストもスタッフもみんなテンションが高かったので、撮影中はシリアスでしたけど、カットが掛かった瞬間に楽しく話したり、メリハリがはっきりしていましたね。想像と違うどころか、普段よりも明るい現場だったような(笑)。でも、聞いたところによると、ホラーの現場はわりとそういう雰囲気が多いそうです。
三吉:後半に赤ちゃんを抱っこしながら走らなければいけないシーンがありましたが、それは結構怖かったですね。トンネルや小屋の中は寒かったですし、急に泣き出してしまうこともあって……。あやしながらも、カメラが回ればシリアスな表情をしなければいけなかったので、大変でしたが、勉強にはなりました。
三吉:私の演じた役は、不思議な力を持っていて、小さいころからいろんなものが見えている設定なので、なかなか共感しにくいキャラクターではあったと思います。しかもその理由は、自分の家族のルーツによるもの。そういったことはなかなか現実ではないことなので、想像の世界でしか演じることができないのは難しかったところです。
そのなかで、「どういう風にすれば怖く見えるのか」とか「どうすればよりリアルに見えるのか」といったことを監督と話し合いながら進めていきました。また、この物語では彼女の人生や家族との関係性も深く描かれているので、なるべく両親とのシーンは丁寧に演じるように心がけました。
三吉:すごく自分の意志がはっきりしている女性だと感じました。ただ、逃れられない自分の血筋とどう向き合うかが難しいところでしたね。そういったことを理解しながら、これから先も自分の足でしっかりと生きていく女性なんだろうなと思いました。
三吉:まず、一視聴者としても純粋に面白いと感じました。というのも、ストーリーの展開や驚かせるような怖さよりも、人間の念や内側からくる人間味のあるじとっとした怖さが描かれている作品だと思ったからです。ホラー映画のなかでも見やすい作品ですし、みなさんも観終わったあとは、自分の人生と置き換えたりしながらいろいろと考えてしまうはずです。
三吉:私の家族はわりとみんな短気なんですが、意外とそこは受け継がなかったですね。むしろ、家族が反面教師になったおかげで、落ち着いた性格になれたと思います(笑)。
三吉:都市伝説や未確認生物の話を聞くのは楽しいですし、実はオカルト系とかも結構好きなタイプです。
三吉:私もこれはどこまでが都市伝説なんだろうと気になって、いろいろと調べたのですが、事件も起きていたりするので、これを映画化できることに驚きました。福岡県出身の友だちが結構いるので、犬鳴村のことを聞いてみましたが、「福岡で知らない人はいない」とみんな言っていましたし、実際に行ったことがある人までいたので、それにもびっくりしましたね。
三吉:幽霊の存在は信じている方ですが、肝試しはしたことがないですし、したいと思ったこともありません。怖いとか、抵抗があるというわけではなく、私のなかではそういうエリアはどちらかというと神聖な場所という印象なので、行きたいとは思わないですね。
三吉:あるような気がしますが、何かが見えたりとかはないですね。ただ、入れない部屋があったり、具合が悪くなったり、寒気がする場所があったりはします。
三吉:今回はカメラが壊れたり、電源が落ちたり、照明が壊れたり、誰かに見られてるなと感じたりするくらいでしたね。でも、スタッフのみなさんも慣れている感じだったので、それで撮影が止まることはありませんでした。
三吉:いまは海外を視野に入れているので、最終的にはハリウッドを目指していますが、まずはアジアで活躍できるようになりたいと思っています。そのなかでも中国とはご縁があり、2019年の上半期はほぼ毎月中国に行っていたほど。そういったお仕事も、これからはもう少し具体的に形にしていきたいですね。今年は封切になる作品がいくつもあるので、それをきっかけに海外での舞台挨拶や映画祭にも参加したいと考えています。
三吉:多いですね。あとは、「もっと知らない世界で仕事をしてみたい」「新しいものを見てみたい」という気持ちが自分のなかに芽生えたので、女優としてもモデルとしてもクリエイティブなことに挑戦し、人と一緒に作品を作る楽しさや難しさを味わいたいです。もちろん日本でのお仕事も大切にしたいですが、海外の人たちとコミュニケーションを取りながら作品と向き合っていきたいという気持ちが今は強くあります。
三吉:今は英会話のレッスンですね。それから、海外でドラマの撮影をしたりもしているので、なるべく現地の言葉を勉強するように心がけています。中国語でも自己紹介できるようにしてみたり、1つでも多くの単語をメモして覚えたりするようにしているところです。
モデルのお仕事では、ニューヨークやパリに行くことも多いですが、言葉が話せないことで委縮してしまったこともありました。でも、それだと時間がもったいないと思ったので、今はうまく話せなかったとしても、がんばって話しかけてみたりして、密にコミュニケーションを取るように意識しています。
三吉:去年から中国がメインのSNS であるWeiboを始めたのですが、それだけでなくインスタでも最近は英語、中国語、韓国語でコメントしてくださる方が増えてきました。そのようなファンの方の言葉を訳さずに理解したいですし、自分で意思疎通できるようになりたいという気持ちがあるので、それがモチベーションになっていると思います。
三吉:この映画はホラーではありますが怖いだけでなく、主人公である奏の人生やヒューマンストーリーもしっかりと描かれている作品となっています。エンドロールが流れると劇場を出てしまう人も多いですが、今回は主題歌も映画とリンクする内容になっていますし、同時に流れている映像も壮大で、最後の最後には「えっ⁉」と思うような展開も待ち受けているので、最後までしっかりと見届けてください。
(text:志村昌美/photo:小川拓洋)
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