1996年4月16日生まれ、福岡県出身。2011年に英勉監督の『高校デビュー』で映画デビュー。主な出演作は『オオカミ少女と黒王子』(16年)、『ルームロンダリング』(18年)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18年)、『貞子』(19年)、『騙し絵の牙』(21年)、 Netflix オリジナルドラマシリーズ『FOLLOWERS』(20年)など。2020年には、『夏、至るころ』で映画監督デビューを果たしており、今後も幅広い活躍が期待されている。
蜷川実花監督が、人気写真家と駆け出し女優の出会いを軸に、東京の今を描くNetflixオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』。中谷美紀が演じる写真家・奈良リミをはじめとしたセレブたちが行き交う華やかな世界に憧れつつ、セリフもない端役やスタンドインばかりで女優としての突破口がつかめずにいる百田なつめを池田エライザが演じている。
SNSに投稿された1枚の写真をきっかけに、突如として運命が変わるなつめについて、自身のSNSとの関わり、クリエイティブであることについてなど語ってもらった。
池田:一見、すごく華やかに見えるんだけれども、決して誇張することなく、人の感情面においても嘘のないお話だなと感じました。
池田:私に限らず、(監督の)実花ちゃんはいろんな方に取材をされていたんだと思います。偏見のない方で、自分にないものを持ってる人がいると、すごく楽しそうに「それはどういうことなの?」と聞いていく。その取材力というか応用力が素晴らしくて。私も、実花ちゃんに話せばきっと素敵な形で作品に生かしていただけるんだろうなっていう信頼感があって。でも、“取材されているとか脚本を作っている感覚ではなく、いつもどおり他愛のないお話をしていて。何が楽しかったとか、何が悔しかったとか、そんな話をしてるうちに脚本に反映されていたという感じですね。
池田:すごく緊張はしますが、個人的には国境はあってないようなものだと常々感じてもるんです。でも、宗教も生活環境も違う人々が、私たちの「あるある」みたいなものを、どう感じるかは気になりますね。でも、きっと違わないかもしれないなとは思いつつ。
夢に向かってどんどん打開していったり、どんどん転落していったりって、生きてれば誰しもあることだと思うので、世界中(の人々)と「あるあるだよね」と言えたら、それはすごく喜ばしいことだし、もし「違う」ということがあれば、それが何なのかも、とても気になります。
池田:あまり似てないですね。なつめは私がなれなかった女の子というか。私は中学生の時からお仕事をしていて、早い段階で守るものがどんどん増えていったので、考えなしに行動することがあまりできなかったんですね。ただ、17歳の時に急にSNSを始めたり、クラウドファンディングで写真集を作ったりしたので、そういう時の戦い方は少しだけ近いのかもしれない。でも、あまり似てないというか、憧れることが多いですね。私もなつめみたいに丸腰で戦いに行きたかったと思うこともあるし。「駄目だよ」「帰っておいで」と言いたくなるようなところに行っちゃうなつめに、すごくハラハラしながらお芝居をしていました。
池田:私も(セリフであることを)忘れました(笑)。若者チームはすごくアドリブの部分を使っていただいています。セリフではあるんです、もちろん。でもカットがかかるまでは自然な関係性というか、ノリくんともサニーとも、ゆうたろうくんとして、コムアイちゃんとして、そして上杉(柊平)くんはヒラクとして、もう仲が良くなっていたので、全然大丈夫でした。カットがかからなくても、当たり前のように言葉が出てくる関係性。だから私も見てて、「あれ? どこがアドリブだったっけ」って感じですね。
池田:反骨心として、わかりやすく(笑)。でも、赤でもない緑でもない、何だか中途半端な、おしゃれっぽい色を入れているんです。本編の最初の方では、なつめはパステルなお洋服を着ています。パステルが意志が弱いっていうわけじゃないけれど、自分のことがまだ少しあやふやな時期にはかわいらしい色を着ています。それで「ピンクがなじむんじゃないかな」と思ったんです。でも、どんどん洋服がビビッドになっていっても、なつめのピンクはちょうどいい。なんかピンクのイメージって様々ですよね。あとは、個人的にやってみたかったっていうのもあります。たぶん黒髪や茶髪よりは「普通の女優になりたくない」みたいな気持ちの表れで好きなことをやってるという風にも取れるかな。若さの表れです。
池田:それが全てになっちゃうといけないですよね。本当にシンプルな答えですけど。
私は少し出遅れてSNSを始めたんです。周りを見て「高校生はSNSをやっているんだな」と思って。当時はあまり更新していないブログしかやってなかったので、もう少し自分を知ってもらうきっかけが欲しいなと思ったんです。ちょっと出遅れた感覚でしたが、すごく研究することが好きだったので、人がどういうものに関心を持つか、何時頃に人が見ているのか、そういうことを考えてました。その中でどんどん応援してくださる方も増えていって、うれしいなとは思いつつも、あんまり打算的にファンを得るものでもないな、とも思って。ほんとに自分の本質的なこととか、お芝居とかを知ってもらって応援していただいたほうが両方幸せなんじゃないかな、と考えてましたね、ずっと。
言葉で表しきれないぐらい(蜷川監督の)素敵な魅力を知っている自負がある
池田:ああ。言われてみればそうかもしれないですね。いや、恐縮ですけど、おこがましいですけど。
池田:私は、ですよ。一方的に。大好きです。「実花ちゃんってこういう人だよね」と知らない人に言われることも全部むかつくぐらい、言葉で表しきれないぐらい、素敵な魅力を知っている自負があります。「そんな言葉じゃ足りないから!」と言いたくなるぐらいリスペクトしています。私よりももっと本能に正直というか、楽しい、うれしいとかを素直に表現できる方なので、そこはかわいいなと思っています。
池田:でも、実花ちゃんが言ってたのですが、どのキャラクターにも実花ちゃんが書いたセリフがありますから、実花ちゃんの血はどのキャラクターにも流れてるので。それはそうだと思いますね。
池田:最近、世界中の歴史を勉強しているんですけれども、歴史を知ることよりももっと難しいなと思ったのが、過去の過ちというか、そういったものを次世代のわれわれがどこまで責任を取り、どう世の中に還元していくべきなのかと考えています。知っていけば知っていくほど何だか身動きができなくなってしまうような感覚がするので、そういったことを常々考えていて。
なので、「偏見に立ち向かう」と言うと、何だか虚しく感じますが、ありのままをまず受け止めるという、シンプルな作業をしていって、そこから生まれるクリエイティブを「今のわれわれだ」と胸を張ってできるように、切磋琢磨していくことではないかなと思います。歴史や過去の偉業もリスペクトしながら、学べることは学んで、でも「私たちは私たちで」という気持ちで、ポジティブに頑張っていくべきなのかなと思います。
(text:冨永由紀/photo:小川拓洋)
(ヘアメイク:豊田千恵、スタイリスト:RIKU OSHIMA)
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