シャルト・コプリー

この映画で大ブレイク。ハリウッドの次回作も決まっている注目スター!

 

『第9地区』シャルト・コプリー インタビュー

『第9地区』シャルト・コプリー インタビュー

 

出演するなんて、まったく予感していなかった
しかも、主役だったので、とてもビックリしたよ

  • 有名監督の作品でもなければ、有名スターも出ていない。企画もベストセラーの映画化どころか、まったくのオリジナル。映画界で“売れる”と言われる要素が皆無であるにも関わらず、その独創性豊かな物語と映像世界は、たちまちのうちに口コミを呼び、全米で大ヒットした映画が、この『第9地区』だ。

    舞台は南アフリカ。ある日、巨大宇宙船がやってきて、人々はパニックに陥るが、実はこの宇宙船は故障しており、仕方なく人類は、故郷の星に帰ることができなくなったエイリアンたちを「第9地区」と呼ばれる仮設住宅に住まわせるというストーリーだ。しかし、彼らエイリアンたちがグロテスクな風貌をしていたことなどから、人類は彼らを蔑みはじめるようになる。

    この映画で主人公のヴィカスを演じたのがシャルト・コプリーだ。監督のニール・ブロムカンプとは昔からの知り合いだったというシャルトに、この映画の製作裏話や次回作などについて語ってもらった。

    [動画]『第9地区』シャルト・コプリー来日インタビュー

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  • ──まずは、最初に脚本を読まれたときの率直な感想と、楽しみにしていた撮影シーンをお聞かせください。
  • シャルト:今回は伝統的な脚本による撮影は一切なかったんです。セリフが書かれたモノはなく、基本的に全部、即興でした。それと楽しみにしていた撮影ですが、実はカーチェイスのシーンがあって、結局、撮影しなかったんですけど、ちょっと楽しみにしていました。ただ、1番楽しみだったのは、シーンではなく、全部のセリフを自分が即興で演じられる点でした。
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  • ──主人公のヴィカスを演じるに当たって、もっともこだわったのは何でしょう?
  • シャルト:意識的に気をつけたのは、性格とかではなく、いろいろな変化が訪れるヴィカスが、それぞれのシーンでどのくらいの感情レベルにあるのかを、キチッと押さえることでした。そのために、シーンごとにどのくらいの状態にあるかを1〜10の数字に振り分けて、「ここは5で、ここは6」といった具合に決め、それに合わせて演技をしていきました。台本の順番通りに撮影していくような現場ではなかったので、混乱しないようにしたわけです。
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  • ──主人公をオファーされたときの感想は? また、製作のピーター・ジャクソンと、はじめてお会いしたのはいつで、どんな印象だったのでしょう。
  • シャルト:出演に関しては、まったく予感していなかったので、本当に驚きました。もともとプロデューサーとして関わるつもりでいて、監督から「カメオ出演くらいはしてもらうよ」と言われていたのですが、それが主役だったのでビックリって感じです。また、ピーター・ジャクソンと最初に会ったのは、撮影の終わり近くになってから。あと2週間で撮影が終わるという段階で、ニュージーランドに行き、やっと会うことができました。すごく地に足の着いた、シャイで誠実そうな方という印象でしたね。
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  • ──アカデミー賞にもノミネートされました。そのことで、ご自身の周囲で何か変化はありましたか?
  • シャルト:ノミネートには、すごく感謝しています。この映画に関わったみんなへのご褒美のようなものでもありますし。ただ個人的には、興行成績の方が自分の仕事やキャリアに対し、よりインパクトがあったので、アカデミー賞ノミネートは、批評家たちが認めてくれたというオマケのような印象です。
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  • ──授賞式に出席されていましたが、その感想は?
  • シャルト:常に興味深い体験で、とても素晴らしい授賞式ではあったのですが、同時に、ちょっと嘘っぽい感じがして。みんな本物の自分ではないような、みんなが賞を演じているような、そんな感じがしてシュールに思えました。特に自分の場合、俳優志望でなかったので。そんな自分がアカデミー賞授賞式にいるなんて、という感じです。
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  • ──会えて嬉しかったスターはいましたか?
  • シャルト:同じ南アフリカ出身のシャーリーズ・セロンです。特に今回の映画は、英語のアクセントもオランダ系のアクセントを使っていたり、南アフリカの人だとよくわかる、微妙なニュアンスが込められていて。その辺りも含めて、どう見てもらえたか、とても興味があったんです。そしたら、お会いすることができ、すごく自分のパフォーマンスを誉めてくれた。
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  • ──この映画は、エイリアンと人間の共存を描いた作品です。とてもグロテスクなエイリアンでしたが、どんなエイリアンだったら共存できると思いますか?
  • シャルト:人間同士でも同じだと思いますが、価値観や行動パターンがあまりにも自分とかけ離れている人とは、調和のとれた共存が難しくなります。だから大切なのは、例えエイリアンだとしても、共存に必要なのは、外見がどうのこうのという問題ではないということです。
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  • ──続編の噂も聞きますが、もし続編が作られたら出演しますか?
  • シャルト:はい。私も監督も、出資者も、「ぜひ、続編を」という話になっていますので、あとはタイミングの問題だけだと思います。
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  • ──そのときは、今回の役と同じヴィカスとして出演するのでしょうか?
  • シャルト:そうなると思います。
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  • ──次はどんなストーリーになるのでしょうか?
  • シャルト:そこは黙秘権を行使させていただきます(笑)。

(2010/4/11)

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シャルト・コプリー

Sharlto Copley
1973年南アフリカ共和国ヨハネスブルグ生まれ。12歳で短編映画の自主製作を開始。19歳で最初の会社を立ち上げ、その後、製作会社を共同設立・運営。24歳のときに、南アで初の地上波放送局「e.tv」の設立のため合弁し、南アのテレビ史上もっとも若い重役となる。2008年に初長編映画『Spoon』をサイモン・ハンセンと共同監督。2005年には本作の監督でもあり旧友のニール・ブロムカンプ監督の短編映画をプロデュース。同作にはカメオ出演している。

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シャルト・コプリー

シャルト・コプリー

『第9地区』場面
 『第9地区』
2010年4月10日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開
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