三上真史×牧田哲也

D-BOYSの人気者2人が、共演作について語る

2010.06.21

『星砂の島のちいさな天使〜マーメイドスマイル〜』
三上真史×牧田哲也インタビュー

僕らは外見は似てても、中身は全然違う（三上）
正反対って言えるくらいに違うんです（牧田）

『星砂の島のちいさな天使〜マーメイドスマイル〜』は、沖縄の八重山諸島の人魚伝説をモチーフにしたラブファンタジーだ。舞台となるのは竹富島。ある朝、この島に、1人の少女が流れ着くところから物語が始まる。
この少女を演じたのが、NHK教育『天才てれびくん』のてれび戦士など、子役から活躍してきた飯田里穂。彼女を浜辺で発見する兄弟に、D-BOYSで大活躍している三上真史と牧田哲也が扮している。
撮影中はほぼ沖縄の竹富島に行きっぱなしだったという2人に、役作りのことから撮影中のエピソードまでを、対談形式で語ってもらった。

［動画］『星砂の島のちいさな天使』三上真史×牧田哲也インタビュー
──今回2人は、中浜光一（三上真史）、瞬一（牧田哲也）という兄弟役を演じています。三上さん演じる兄はイケイケな感じで、牧田さん演じる弟はすごく慎重派という印象ですが、実際の2人はどんな感じでしょうか？
三上：近いものがあるよね。
牧田：そうですね、喜多監督からは最初、見た目は似ているので兄弟に見えると言われたんですけど、中身は意外と違っていて……。
三上：そう、僕らは外見は似てても、中身は全然違うんですよ。
牧田：正反対って言えるくらい違う。
三上：ただ、今回の役柄に関しては、自分自身と結構近いものがありますね。ガムシャラに1つに向かって突っ走り、絡まってしまうこともありつつ……。
牧田：そう。最初に台本を読んだとき、三上真史に当て書きしているのかと思った。
三上：（笑）
牧田：でも、すごく想像できたんですよね。
三上：逆にマッキー（牧田）の方も、（演じた役同様）牧田哲也自身がカメラ好きなんで、ビックリして台本を読みました。役そのままなので。
──それは、脚本家が2人に当て書きをしたから？
牧田：全然違うみたいです。
三上：実は後から聞いたら、キャスティングが逆になる考えもあったらしくて。今思えば逆じゃなくて良かった、と（笑）。
──それぞれの役の細かい設定なんかは、どうしたのでしょう？
三上：そこまで決まっていなかったので、自分たちでご飯を食べながら話し合いましたね。父親がいない設定なんですけど、そこに何かあるんじゃないかって考えて。そこからいろいろと2人で「それは違うんじゃないか」と言い合って。
──具体的にはどんな設定なんでしょうか？
牧田：僕の役は、小学校5年生のときに父親が母親を残して亡くなっているという設定で。そういうこともあって僕は島に残っている。やっぱり、島に生きる人たちは、そう簡単に島を出ていくわけにはいかないと思うんです。実際、僕も愛知県から出てきて、県外に出ることに対する抵抗も、少しはありましたし。
だけど、兄貴（三上）は出ていったんじゃないかと。大学にも通い、いろいろなものを学んで戻ってきているんじゃないかという話をしたり。逆に僕は、せいぜい自宅から通える石垣島の高校まで。その後は進学せず、ずっと島にいて。兄弟の考え方の違いは、そこら辺から出てきているんじゃないかという話もしました。
三上：それと、兄弟が変わるきっかけになったのが、父親が亡くなったときなのかなって。これはあくまでも僕らが考えた設定ですけど、幼い頃によく、父親から「沖縄の良さ、竹富島の良さ」を聞かされていて。きっと父から「俺には夢があって、それは、この竹富島を良くしていくことなんだ」というような話をされてきたはず。一方で島の良さを伝えるために、父親は自分のカメラで写真も撮り続けていた。そんな話を小さい頃からずっと聞いてきた僕らは、父が亡くなったときにそれぞれ、違う意味で遺志を継いだ。兄の僕は竹富島を良くしていくこと。弟はカメラで島の魅力を撮っていくこと。ただ、結果として、僕が演じる兄の光一は間違った方向に進んでいくのですが……。
──役作りは、それぞれ、どんな風にやっています？
三上：僕は最初にセリフを入れて、そしたら、1回忘れるくらいにしています。その後は、台本は基本的に見ないですね、現場では。全部セリフを入れておくので。あとはもうフリーで、その場で自由に動けるように心がけています。
牧田：僕はどうかな？　そんなにカチっと決めてないので、どういったらいいか、わからないんですけど。セリフは覚えて、ある程度頭の中で考えて、何となく、こうかなってというのを想像してから、現場にのぞみますね。
──そういう役作りのスタイルは、最初から変わっていない？
三上：変わりました。カッチカチに考える方だったのが、いろいろな作品や舞台を通して、柔軟に対応できなければ意味がないと気づき。一番大事なのは設定で、ここはブレないようにし、あとは自由に動けるようにと変わっていったと思います。
──裏を返すと、それだけ現場で対応できる精神的な余裕が出てきたってこと？
三上：だといいんですけどね（笑）。
──ところで、三上さんはこの映画で、プロレスラーの長州力さんにサソリ固めをかけられていますが、アレは痛かったんですか？
三上：痛かったです。リハーサルのときは手加減していただいて、本番では本気でくださいと。だって、光栄じゃないですか！　実はあのシーン、すべての最初のシーンだったんです。クランクインして1番最初の撮影で、吹っ切れたというか。あの撮影で光一役を掴めたし。それに力さん、びっくりするくらい優しいんですよ。嬉しかったのが「プロレスラー以外の方に、プロレス技をかけたのは初めてだ」って言って下さったこと。すごく光栄で、一生の宝になりました。
──牧田さんは、ヒロイン役の飯田里穂さんとのラブシーンがありました。
牧田：あのシーンは、結構、最後の方に撮ったので、距離も近くなってきていたこともあるし、実際に（キスを）しているわけでもないので、メチャクチャ緊張するってことはなかったですね。
──あまり緊張しなかったのは、すでに仲良くなっていたから？
牧田：いや、僕はこれまで男性ばかりの現場が多かったので、ラブシーンをそんなにやっていなくて。最近、女性と絡むことがちょこちょこと増えてきているんですけど、最初はすごく違和感があったんです。
三上：でも、横から見ていると、（牧田の）役がすごく硬派だったので、ラブシーンが苦手そうな感じがリアルに出ていましたよね。
──三上さんは今回ラブシーンがありませんでしたが、これまでに結構、経験しています？
三上：いや、どうでしょう？　そこまではないですけどね。
──例えば、飯田さんとのラブシーンを、牧田さんじゃなく、三上さんが演じるのだったら？
三上：それ、考えたんですよ。メイキングでなんちゃって逆バージョンをやったり（笑）。実際やってみたら、何か面白くなっちゃいました。
──竹富島の感想は？
三上：本当にいい場所で、何もないんですけど、それがいいんですよ。芝居だけのことを考えられたし。民宿の前に座る場所があって、終わった後も自然とこう、（長州）力さんとか相島一之さんとかがいて、話すことはこの映画のことばかり。すごく良かったです。
牧田：相島さんはお酒好きで、お芝居も大好きなんだろうなって感じで、ずっとお芝居の話しを聞いていたり。「普段、俺はこんなに若手とは喋らないんだけどな。この島の環境がそうさせるんだろうな」とかと相島さんが言いながら、泡盛を飲んで、楽しい時間を過ごさせていただきました。
──では、最後にメッセージを。
牧田：『星砂の島のちいさな天使〜マーメイドスマイル〜』が、
三上：6月19日から公開になります。
2人：みなさん、ぜひ見に来てください。