時間に追われていても、今はその先にある
ご褒美としての楽しい出来事を目指して頑張ってます
- 時給11万2000円の高額バイトのために謎の施設に集まった10人の男女の姿を描いた映画『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』は、『デスノート』や『カイジ 人生逆転ゲーム』などと同様、人間と人間とが命をかけて心理戦に挑むサスペンススリラーだ。
集まってきた10人を演じるのは藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、阿部力、平山あや、石井正則、大野拓朗、武田真治、片平なぎさ、北大路欣也といった豪華メンバー。彼らが密室を舞台に、騙し騙されの熾烈な心理戦を繰り広げていく。
このなかで、あるトラウマを抱えたWebデザイナー役を演じているのが石原さとみだ。やむにやまれぬ理由があって高額バイトに参加する役で、これまでにない影のあるキャラクターを好演している。その石原に、撮影の裏話からリフレッシュ方法までを語ってもらった。
[動画]『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』石原さとみインタビュー
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- ──影のある主婦という役は、今までの石原さんになかった役柄ですが、演じてみての感想は?
- 石原:演じている最中は特に新鮮さを感じず、とにかく集中することだけを考えていたんです。でも、完成作を見たら、ちょっと新鮮だなって思いましたね。
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- ──サスペンスやホラーは、もともと好きでしたか?
- 石原:全然興味がなかったんですけど、『インシテミル』をきっかけに、何を見たら勉強になるかなって思って、いろいろと見させていただいたんです。見たのは、おどろおどろしいものとか、生々しいものというよりも、心理戦だったり、スリリングだったりする作品が中心。『SAW』とか『CUBE』とか、中田秀夫監督の『女優霊』とか。いろいろと見させていただいて、あ、面白いな、と思いました。
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- ──今回、演技面でチャレンジだったことはありますか?
- 石原:血のりが吹き出すのは初めての体験でした。
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- ──共演者がみなさんホリプロに所属する役者さんですが、現場はどんな雰囲気だったのでしょうか?
- 石原:アットホームな現場でしたね。みなさん必ず1度はお会いしている方ですし、共演したことのある方も多く、いい緊張感を保ちつつ、抜くところは抜くことができて。1か月間こもりっきりで、ずっとみんなと一緒にいたのですが、だからといって、馴れ合いになることなく、個々が集中して取り組んでいる。とても心地よい現場でした。
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- ──北大路さんのような大御所の俳優さんが相手でも緊張はしない?
- 石原:北大路さんとは、以前にスペシャルドラマでずっと一緒で、そのときの役柄がコミカルだったんです。だから、お久しぶりにお話しできて楽しかったです。
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- ──石原さん自身、時給11万2000円のバイトがあったらやってみます?
- 石原:やらないですよね。私、恐いのには絶対手を出さないと思う。そんな大きいお金がすぐに手に入ったらダメですよ。恐いことは苦手なんで、安心重視でいきます。
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- ──役柄ではなく本人が参加するとしたら、石原さんから見て今回の共演者のなかで、誰が最後まで生き残ると思いますか?
- 石原:エーッ、どうかな。北大路さんは生き残るでしょうね(笑)。
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- ──石原さんは、雑誌「anan」ですごく素敵なくびれを披露していましたが、もともと美容に対する意識は高い方?
- 石原:いえいえ。全然、高くなかったから焦りました。家に全身鏡も持っていなかったくらいなので。でも、あの撮影のおかげで発見したことはいっぱいありました。そのときに紹介していただいた整体には、今でもずっと通っているんです。
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- ──それを機に、美容に対する考え方が変わったところは?
- 石原:自分って結構バランス悪く生きてんだなって思いました。ケガの後遺症が残っていたんだなとか、こんなクセがあったんだなとか、ここが痛いのはこれが理由かとか、いろいろなことを発見できた。そういうことを1から治していかないと心地よくならないんだなって思いましたね。
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- ──撮影現場の思い出に残るエピソードがあったら教えてください。
- 石原:ガールズトークは盛り上がりましたね。平山さんの写真集を綾瀬さんと一緒に熟読して(笑)。あと、平山さんと綾瀬さんから、やたらとジャージを勧められました。みんな現場に動きやすい格好で来ていて。一番現場に近かった私が、一番ちゃんとした格好で来ている。来て、着替えるだけなのに、まったく意味ないなって思って。影響を受けやすいというのもあるのですが、「どこがいいですか、ブランド」みたいなことを聞いて、すぐに買っちゃいました。
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- ──では、平山さんや綾瀬さんも、現場にジャージでやって来る?
- 石原:ジャージというか、おしゃれでラフなスタイルです。(藤原)竜也さんも阿部さんも大野君も、みんなそうでした。
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- ──ホリプロはおしゃれジャージが好き?
- 石原:そうみたいですね(笑)。
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- ──ちなみにお気に入りのジャージはどんな感じ?
- 石原:サルエルっぽいパンツにパーカーを羽織る感じです。
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- ──最後に、煮詰まったり壁にぶち当たったときのリフレッシュ方法があれば教えてください。
- 石原:時間に追われていても、今はその先にある、ご褒美としての楽しい出来事を目指して頑張ってますね。
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- ──例えばどんなご褒美を?
- 石原:海外旅行に行ったりとか。でも、そう思い始めたのは、ごく最近なんです。こういうところでテンションがグッと上がったりするんだなっていうことを発見して。
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- ──最近、自分に与えたご褒美は何でしょう?
- 石原:何だろう、あ、レザーのジャケット。高かったです(笑)。今、サイズを整えてもらっている最中です。
(2010/10/16)
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いしはら・さとみ
1986年、東京都出身。2002年に第27回ホリプロタレントスカウトキャラバン「ピュアガール2002」でグランプリ受賞。翌2003年、映画『わたしのグランパ』でデビュー。その年の新人賞を総なめにする。2003年NHK朝の連続テレビ小説『てるてる家族』のヒロインに抜てきされる。以降、テレビドラマ、映画、舞台などで活躍。主な出演映画に『包帯クラブ』(07)、『フライング☆ラビッツ』(08)、『人間失格』(10)などがある。
『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』
2010年10月16日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開
(C) 2010「インシテミル」製作委員会
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