1965年4月4日生まれ、アメリカ合衆国ニューヨーク州生まれ。父は映画監督、母は女優。1970年、5歳の時に父親の監督作で映画初出演。高校を中退して本格的に俳優の道に進み、『ベイビー・イッツ・ユー』(83年)で映画デビュー。『レス・ザン・ゼロ』(87年)などで注目を集め、喜劇王チャーリー・チャップリンを演じた『チャーリー』(92年)で英国アカデミー賞主演男優賞受賞を受賞、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた。『シャーロック・ホームズ』(09年)では、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。 その他の出演作に、『アイアンマン』シリーズ(08年、10年、13年)、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(08年)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19年)などがある。
児童文学『ドクター・ドリトル』を基にした映画は、過去にもエディ・マーフィ主演作をはじめ何回か製作されているが、今度は『アイアンマン』のトニー・スターク役でおなじみのロバート・ダウニーJr.を迎えて映画化。動物と話せる名医で変わり者のドリトル先生が、病で倒れた女王を助けるため、動物たちと助手志願のスタビンズ少年とともに唯一の治療法を求めて伝説の島へ向かう、という冒険ファンタジー映画だ。
近年はスーパーヒーロー役のイメージが強いダウニーJr.だが、90年代にはチャップリンを演じた『チャーリー』などの作品が高く評価され、演技派として名を馳せた。薬物問題を抱えていた時期もあるが、克服後は『シャーロック・ホームズ』でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞、個性派俳優として唯一無二の存在を放っている。それだけに子ども向けファンタジー映画への出演は意外だが、その理由や本作の魅力についてダウニーJr.が語った。
ダウニーJr.:楽しい子ども向けの作品に関わりたいと思っていたんだ。僕には子どもがいて、最年長は26歳になったけれど、彼だけは13年ぐらい前から僕の作品を見てくれている。でも、まだ幼い子どもたちは、プレミア上映の晩はいつも家で留守番だった。それで、プレミア上映に子どもたち全員と出かけられる映画があれば楽しいだろうな、と思っていたんだ。それだけでなく、本作の無垢な冒険や、人間同士の交流、共感といったテーマにも惹かれたよ。宇宙からの侵略の泥沼劇(編集部注・『アベンジャーズ/エンドゲーム』にトニー・スターク役で出演)にしばらくハマっていたので、今度は自分が子どもの頃に見ていた映画に立ち戻った作品をやってみたいという気持ちがあった。
ダウニーJr.:映画の冒頭では、ドクター・ドリトルは引きこもりモードに入っているんだ。彼は、トラウマか、何か精神的なダメージがあったか、落ち込むようなことがあって、仙人のように社会から孤立したのだと思う。彼なりの論理では、動物を助けることに専念することに決めたのだけれど、実際には人間と関わることを諦めてしまったんだ。そして、女王から贈られた豪邸でひっそり暮らすことにしたんだよ。
ダウニーJr.:さまざまな種類の動物の言葉を理解し、ゆくゆくはコミュニケーションをとることができるようになる一人の少年が同じ町に住んでいる。豪邸でひっそり暮らす変わり者の博士という都市伝説のような話に少年が興味津々だからこそ、ドリトルは少年を招き入れたんだ。
ダウニーJr.:とても好奇心旺盛で直観が優れている少年だが、家庭環境は良くない。仙人のようなドリトルと何かすごい冒険を体験することになるなんて誰も思ってもみないことだったんじゃないかな。動物たちによって癒されたスタビンズ少年は、ドリトルの意に反して冒険に参加したいと強く懇願してくる。二人で冒険に出掛けた後も、ドリトルは少年に対して冷たい態度を取り続けるけれど、徐々に親しい感情を持つようになるんだ。
ダウニーJr.:彼は才能ある新進のスターだ。ハリーのスクリーンテストを見た時のことを覚えているが、「素晴らしい。きっと11歳のトム・クルーズもこのような才能を見せていたのだろう」と思わせるような才能を感じた。とても自立心があり、デキる少年だよ。
ダウニーJr.:プロダクションデザインリーダーのドミニクと共にセットの中を歩き回ってふさわしい雰囲気に仕立てていきながら、何時間も話し合いをしたよ。役者の動きや立ち位置を中心にセットデザインを考えたんだ。しかし、これほどまでに楽しいリビングルームのセットもないだろうね。シロクマの配置、キリンが頭を覗き込ませる窓、ゴリラが心地よく眠ることができる寝床など、そんなことを考えるのがとても楽しかったよ。
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