醍醐虎汰朗
だいご・こたろう
2000年9月1日生まれ。東京都出身。2017年に舞台『弱虫ペダル』のオーディションで主演・小野田坂道役に選ばれ、「新インターハイ篇」シリーズ3作品に出演。2019年、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー‼』で主演の日向翔陽役を演じる。テレビドラマでは、『恋はつづくよどこまでも』(20年)の第5話にゲスト出演。映画では、『セブンティーンモータース』(19年)、『天気の子』(19年)などに出演。『天気の子』では主人公・森嶋帆高の声を担当。「第14回声優アワード(2019年度)」にて、新人男優賞を受賞。
熊本県の仮設住宅で暮らす高校生のマサオは、幼馴染の岡本とスマホをいじるだけの無気力な日々を送っていた。ある日、かつてハンドボール部員だった頃の“映える写真”をSNSに投稿したところ、最近の写真と勘違いした全国の人々から多くの「いいね!」が集まった。気をよくした二人は、「#ハンド全力」のタグをつけて投稿を継続。廃部寸前の男子ハンドボール部の部長・島田にスカウトされてフォロワー戦略のために入部したものの、練習もしないでバズる写真の投稿に全力投球。情けない試合をしてもSNSでは大人気! ところが、SNSがヤラせだと暴かれて大炎上してしまう……。
『#ハンド全力』は熊本の仮設住宅を舞台に、ハンドボールを頑張ってるフリをしてSNS投稿に熱中する高校生たちの姿をユーモラスに描いた青春映画だ。マサオを演じるのは、子役時代から活躍する加藤清史郎。幼馴染の岡本役には、醍醐虎汰朗。醍醐は、新海誠監督の『天気の子』(19年)で主人公の声を演じた注目の俳優で、現在19歳。声優としての仕事でブレイクしたが、そのイケメンぶりも話題に! そんな醍醐に、若手俳優が集結した撮影の裏話やプライベートを聞いた。
醍醐:たしか4役か5役かあって、「とりあえず一通りやってみて」と(監督の)松居さんに言われて演じた結果、岡本になりました。
醍醐:ビジュアルを見ていただいてもわかるように、だいぶ自分とは違っている感じだったので、この役にはならないんじゃないかなあと思ってました。でも、いい役だったので、岡本だといいなと思っていました。
醍醐:衣装合わせの時に何パターンか着て、監督とこっちの方が岡本っぽいね、という話をしました。マサオとの区別がつきやすいように、見た目に違いが出るように意識したと思います。
醍醐:きらきらした青春映画というよりは、ひねくれものの集団が頑張って青春をする、というような世界観が面白いなと思いました。熱血部長の島田なんてキャラクターがアニメに近くて、どんな人が演じるんだろうと、ちょっと想像できなかったですね。普通ではない人の集まりだな、というのが第一印象でした。
醍醐:みんなと初めて会いましたが、1日で仲良くなれました。初日はハンドボールのプロのコーチが来てくれて練習したのですが、その日からすぐ仲良くなって。熊本に2,3週間泊り込んで撮影したので、部活の合宿みたいでした。懐かしいですね。誰かの部屋に集まって、みんなでスマブラ(編集部注:大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ)大会したり(笑)。
醍醐:そうですね、最初からうまくできました、ハハハハ(笑)。いや、すごい嫌みったらしいことになっちゃうから、何て言ったらいいんだろう。えっと、運動神経は悪い方ではなくて人よりも少しだけ覚えるのが早くて(笑)、でも真逆の役だったので、休み時間は転ぶ練習したり下手くそにやる練習したり、あと下手な人を見て、こうやったら下手くそに見えるんだなとか(笑)。
醍醐:清史郎は考えていることが大人だなぁと思いました。僕の中では「こども店長」のイメージが強かったのですが、いろいろなことについて深く考えている人でした。福くんも『マルモのおきて』のイメージが強かったのですが、二人とも僕より年齢は下ですが、キャリアを積んできているので、輝いているものを感じました。
醍醐:僕も今まで知らなかったんですけれど、ハンドボールでは指に粘着テープをつけるんですよ。だから最初はうまくボールが手から離れなくて、それに慣れるところから始めて。しかも、球もこれくらいのサイズで(編集部注:バスケットボールのボールより小さい)、けっこう速く投げられたり、自由に扱えるので、実際にやってみてとても楽しかったです。バスケとドッジボールとサッカーが融合したような新感覚のスポーツに飛び込んだ感じでした。
醍醐:『弱虫ペダル(新インターハイ篇)』では自転車のハンドルしか持たないですし、『ハイキュー!!』でもボールをあまり使いませんでした。でも、映像の場合、ちゃんと物を使って演じるのでやりやすいなと思いました。
醍醐:震災から時間が経って、東京では普通の暮らしをしているけれど、熊本の被災地ではまだ仮設に住んでいる方々がたくさんいて、そういったことに目を背けてはいけないなと思いました。でも、みなさん楽しそうに生活されているのがとても印象的でした。
仮設住宅の近くに人々が集まってご飯を食べる場所があって、そのお店の方とお話をしたのですが、温かく出迎えてくださいました。スープを作ってくれたりして、あたたかさを感じました。
醍醐:以前は あまり好きじゃなくて、更新を全くしない方でしたが、今は更新を楽しみにしてくださる方々がいるので、僕もちゃんとやろうと最近は更新をするようにしています。不特定多数の人が見るので、発言とかには少し気を遣うようになりました。
醍醐:あ、僕は圧倒的にあっちです。こんな人たち(マサオや岡本)が同じ部活にいたら絶対にブチ切れますね。「やめろ」って言いますね(笑)。
醍醐:器がでかいですよね。僕にはできないですね(笑)。ただ、彼ら(マサオと岡本)の目的がそもそもスポーツをすることではなくて SNS をすることで、その手段がハンドボールだったわけですから、そう考えれば理解はできます。
醍醐:もう本当に本当に真逆ですね(笑)。
醍醐:部員たちが体育倉庫で喧嘩するシーンがあるんですけれど、同世代の役者だけで集まってそういうシーンをやったことがなかったので、どんな感じなんだろうなと思っていたんですが、待っている間も現場がピリついていて、その空気感がいい意味で出ていたんじゃないかなと思います。後は、(原稿に)使えるかわからないですけれど、銭湯のシーンがあってみんな前張りをつけたんですけど、一人の前張りをずっと剥がし続けるという(笑)。 そういう遊びをしていたのが楽しかったですね。最後は誰もつけていなかったんじゃないかな(笑)。
醍醐:めっちゃくちゃ、わちゃわちゃしてました。くだらないことをずっとしていましたね。清史郎にサンシャイン池崎さんのモノマネをやらせたり(笑)。清史郎は僕の1歳下なのですが、今も仲良くしていて、家に遊びに来たりするんですよ。
醍醐:僕は“思い立ったが吉日”ですぐに行動してしまうタイプなので、この事務所に所属が決まった瞬間から高校は芸能コースに行こうと決めました。サッカーはそれまで9年間やってきたんですが、それもやめました。
醍醐:当時はやることが見つからなかったとか……、少しモテたかったとかいうのもあったりして(笑)。きっかけはそれでした。ただ、テレビの中のキラキラしている人たちに対してどこかで憧れていたんだと思います。
醍醐:オーディションなんてそれこそ何回も落ちていますが、やめようというよりは、やってやろうという方向に気持ちが向かいますね。ただ、一度だけ、あと一歩のところで役に届かなかった時に「向いていないのかな」と思ったことはありました。その日は、友人で俳優の萩原利久くんと遊ぶ約束をしていたんです。マネージャーさんから「受からなかったよ」という連絡が来て、「もうやめよう」と思って、遊びに行く気分でもなくなって、自分の家に帰ろうとしていたら利久くんが来てくれたんです。利久くんが芝居についていろいろと話してくれたことで続けようと思えたので、僕にとって本当に良い先輩です。
醍醐:ありがとうございます。今は自分がやりたいことというよりは、僕の年齢(19歳)ですし、いただいた役を一生懸命に演じることが力になるんじゃないかなと思います。やってみたい役は、もっと後でいいかなと思っています。
醍醐:漠然としたものですが。でも今は心に秘めておきます。
醍醐:人に何かを感じとってもらえる職業が役者だと思うんです。人々に感動やいろいろな感情を届けられる職というのは魅力的ですし、自分も何かを発信していきたいなという気持ちはあります。あとは、純粋に楽しいからやってるんですよね。何が楽しいのか説明が難しいんですけれど、きっと芝居するのが嫌だったら続けていないと思うので、やっぱり好きなんだと思います。
醍醐:2日休みがあったら旅行に行きたいですね。箱根とかに友達と行って、それこそ携帯も家に置いてきて、みんなで遊びたいですね。
醍醐:全く違いますね。最近みんなにつられてインスタとかを暇な時間に見たりすることもあるんですが全然なんか(笑)。でもウイイレ(編集部注:ウイニングイレブン)とかは好きですね。サッカーのゲームなんですけど。
醍醐:めちゃくちゃ無難な答えなんですけど、肉が好きですね。すき焼きとか。
醍醐:好きなタイプは、結構こだわりがありますよ! 優しいタイプです。
醍醐:一個だけです(笑)。いや、今のはなしにしてください。なんだろう。家庭的な人がすごく好きかもしれないですね。例えば、友だちの家にみんなで遊びに行くじゃないですか。そしたら何も言わずにみんなの靴まで揃えるような人が好きかもしれないですね。
醍醐:ですかね。 あとは髪の毛は短めが好きかもしれないです。アニメのキャラとかでも僕は昔から髪の毛の短いキャラの子が好きですね。なんか、恥ずかしいですね(笑)。
醍醐:『#ハンド全力』はエンターテイメントに振り切った作品ですが、 SNSの怖さだったり、熊本の 地震のことなど普段僕らが生活してる中で忘れがちなことをポップな形で改めて教えてくれる作品になっていると思います。ぜひ見ていただけたら嬉しいです。
(text:中山恵子/photo:ナカムラ ヨシノーブ)
(ヘアメイク:AYA[BVCメイク]/スタイリスト:井上亮[BVC])
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