大役が続く注目俳優！ 刹那的な不良少年を演じた心境を語る
高校3年生の夏、有海は携帯電話に残された過去からの不思議な留守電メッセージに導かれ、学校一の問題児である春川と出会う。親からの愛情を知らずに育った有海と、母親に見捨てられた春川。心に深い傷を抱えた者同士、すぐに恋に落ち、刹那的に突っ走っていく。痛々しくて切なくて、だからこそ忘れがたい青春恋愛ミステリー映画が『NO CALL NO LIFE』だ。
本作はホリプロ60周年記念作品として制作され、期待の若手俳優、優希美青と井上祐貴がW主演を務めた。今回、見た目はやんちゃな不良だけれど内面は寂しさでいっぱいの春川を繊細に演じた井上にインタビュー。撮影秘話やキャリアについて、率直に語ってくれた。
井上：素直に嬉しいなあと思う反面、プレッシャーがすごくありました。自分でいいのかな、自分にできるのかな、とマイナスなことを思っている時期もありましたが、でもこうやって選んでいただいたからには、お芝居ができる幸せを噛み締めながら、全力で作品と役に向き合おうと思いました。
井上：難しかったです。非現実的な部分も手伝って理解するのに時間がかかりました。そして何度も読んでいると春川として心が苦しくなっていました。
井上：コロナ禍ということもあり、今は生活や仕事、色々なことが制限されています。そんなご時世も手伝って、家族、友人、恋人など、大切な人と当たり前のように過ごせるということがどれだけ幸せなことか、と改めて感じることのできる作品だと思っています。有海と春川や、親子の愛情などをこの作品を通してお届けすることができたらいいなと思います。
井上：そうですね、つらい気持ちがずっと続いていましたね。元気なシーンのときは楽しんでいましたが、基本的には春川はお母さんのことが大好きで、でもその大好きなお母さんからずっと愛情を注いでもらえずにいるのですが、、だからこそお母さんと会うシーンの撮影は本当につらかったです。
井上：どこかなぁ。大変だったのは、ネタバレになるので、最後のシーンだとだけ言っておきます。
井上：声のトーンは意識していましたね。僕は声が低めなので、少し高めになるようにしていました。でも不思議と制服を着ると高校生みたいな気分になりましたね。
井上：めちゃくちゃ髪が傷んじゃいましたが、人生初めてのブリーチでしたね。春川のビジュアルのイメージがあったので、それに少し近づけたかなと思っています。
井上：そうなんですよ。見慣れたオレンジではなくなってしまって、少し寂しかったですね。
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井上：いっぱいあります。その中でも、桜井ユキさんとのシーンかな。お母さんと春川というのは物語の軸の一つでもあるのですが、桜井さんとのシーンは数えるほどしかなくて。控室で初めてご挨拶させて頂いた時に、「あ、冷たいお母さんのまんまだ」と感じたんですよ。桜井さんはもしかしたら普通に挨拶して下さったのかもしれませんが、僕が春川としていたからそう見えたんでしょうね。でも、それですごくスイッチが入ったんです。実際に一緒のシーンを撮影させていただいて、桜井さんは僕よりも先にクランクアップされたのですが、帰られるときにに、初めて桜井さんをちゃんと見れました。すごく笑顔で気さくな方だったんですよ。周りの方にとってはずっとそうだったと思うんですけれども。僕の前ではあえてああしてくださっていたのかなと勝手に思っていて。感情面でも助けていただいたなあと思っています。
井上：これで違っていたら失礼な話なんですよ。でも一つ言っておきたいのは、僕にフィルターがかかっていて、そう見てしまってあるのもあります。役が抜けた時の桜井さんはとても素敵な方でした。
井上：僕もすごく好きな作品です。結局何だったんだろうとか、 見終わった後に考えるのが好きですね。今回の作品はそういう脚本でしたし、見た方が色々考えて下さる作品になったらいいなと思いながら演じていました。お芝居についてはまだ分からないことだらけなので、監督やプロデューサーさん、共演者の方々に助けていただきながら形になったので感動でしたね。
井上：大学3年生の時です。
井上：いえ、全然考えてなくて。もっと前からやっておけばよかったと後悔する時もあれば、これでいいんだと思う時もあったり。ただ大学生らしいことをしてきたので、それはそれで良かったと思っています。でもやっぱり昔から俳優のお仕事をされている人たちに比べたら年数も実力もかなわないので、その差を少しでも縮める、越してやる、という気持ちで今は頑張っています。
井上：受けている過程で、気付いたら本気になっていました。
井上：周りの友だちが就職活動をし始めていたので、「やばいな、俺どうしよう」と思ってましたね。なんとなく美容師になりたいとか言っていました。
井上：そうなんですよ（笑）。
井上：仕事をする前も作品を見て感動したりしていましたが、仕事を始めてからより深く感動するようになりましたし、作品に参加する側になったことで見方が変わりましたね。僕も自分が参加した作品で、誰かが感動してくれたり、 頑張ろうと思ってくれたらいいな、という気持ちが年々強くなっています。
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井上：始めたばかりなんですが、DIYです。僕はわりと形から入るタイプなんですけれども、工具とかを揃えようと、家の中でも大きな音を出さずに手作業でやれる道具とかをネットで見たり。
テーブルを作りたいんですよ。色々調べている時間が楽しいですね。
（text：中山恵子／photo：小川拓洋）
1996年6月6日生まれ。広島県出身。2017年に第42回ホリプロタレントスカウトキャラバン審査員特別賞を受賞し、2018年にブロードウェイミュージカル『ピーターパン』で俳優デビュー。2019年にはテレビドラマシリーズ『ウルトラマンタイガ』主演。ほかに、『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』主演（2020年）、テレビ宮崎開局50周年ドラマ『ひまわりっ 宮崎レジェンド』（2020年）など。公開待機作に、主演映画『Bittersand』がある（2021年夏公開予定）。
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