2月22日生まれ、東京都出身。『それが声優!』の小花鈴で注目を集めると、同作品から派生した声優ユニット・イヤホンズのメンバーとして音楽活動も開始。その後、『ウマ娘 プリティーダービー』のサイレンススズカ役などで人気を博し、Netflixオリジナルアニメ『エデン』ではアニメ作品初主演を務める。現在は、ソロアーティストデビューも果たしており、幅広く活動中。
主演という立場のプレッシャーはすごくありました
Netflixオリジナルアニメシリーズ『エデン』が5月27日に全世界独占配信される。何千年も未来を舞台にしたSFファンタジーだ。ロボットだけが暮らす世界「エデン3」で、農業用ロボットとして暮らしていたE92とA37はサラという名の赤ちゃんが入ったカプセルを偶然発見してしまう。人間は悪者だとされているエデンの外へとサラを運び出し、安全な場所で赤ん坊を密かに育てていく。
監督はTVアニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』の入江泰浩が手がけ、プロデューサーは『イノセンス』のジャスティン・リーチ、キャラクターデザインは『カウボーイビバップ』などを手がけた川元利浩が担当し、豪華スタッフ陣が集結している。
サラの声を演じたのは、『デジモンアドベンチャー:』や『ウマ娘 プリティダービー』のサイレンススズカ役で知られる人気声優の高野麻里佳が演じている。彼女に、作品への思いや収録での苦労、また今年ソロデビューを果たした音楽活動などについて、話を聞いた。
高野:『エデン』はSFファンタジーなんですが、しっかりユーモアがあるところに惹かれました。赤ちゃんのサラを見て、ロボットが鼻水のことをすごく客観的に分析するシーンがあるんですが、その反応がとても新鮮で面白くて。あと、お父さんロボットとお母さんロボットに人間の心が宿っているんじゃないかと思える瞬間もあって、どんどん続きが気になる作品だなと思いました。
高野:そうそうたるメンバーの中に加えていただいて、収録のときも緊張しました。コミカルな部分もある作品ですが、テーマは壮大で、主演という立場で自分が表現しきれるのかというプレッシャーはすごくありました。
高野:今回は特殊でオーディションではなかったのですが、プレスコ(通常のアフレコではなく、先に声を収録する方式)作品で、仮収録がありました。本番ではなく、仮という立場で呼ばれて、作品作りのお手伝いをするということだったので、私としてはオーディションを受けている気持ちでした。もちろん気合は入れて臨んでいましたが、どこかでいずれは本キャストの方に代わることになるかもしれない、と覚悟しながらやっていました。
高野:そうです(笑)。選ばれないとショックだから、私よりサラを上手に演じられる方に代わることになれば、そのときは自分の中で納得しようと。でも、最終話まできて、このまま私が演じられると聞いて、あれ? もしかしてオーディションに受かったということかな? 私が認められたのかな?と嬉しくなりました。
高野:プレスコは通常のアフレコのアニメとは収録方法が全然違うので、その難しさはありました。
高野:アドバイスというものはとくにいただいていないのですけれど、お母さんロボット役の氷上恭子さんがお菓子をくれたりして、共演のみなさんとほっこりすることが多かったので、自然とキャラクター作りができました。
高野:入江監督と久々にお仕事できるのが楽しみでした。『灼熱の卓球娘』という作品でご一緒して以来ではありましたが、そもそも『鋼の錬金術師』は小さい頃から見ていたので、入江監督とお仕事をするなんて夢のようでした。
高野:『ハガレン』は生死を伴う重厚感とバチバチの戦闘もあるスタイリッシュな雰囲気の作品だと思うのですが、そのイメージと違って温和で物腰の柔らかい方なんです。『エデン』では一話収録するごとに演技の感想を文章で送ってくれて、そんなことをしてくれる監督に会ったことがないので、作品にも演者にも愛がある方だと感動しました。
高野:人間らしい温かみと存在感のあるデザインですよね!サラは少女らしくてとても表情豊かで、かわいくて大好きになりました。
高野:一番はやはり制作過程の特殊さですかね!監督、アニメーターのみなさんはもちろん、プロデューサーや音楽家さんともコミュニケーションをとりながらみんなで一緒に作り上げたなという印象です。
高野:最近見たのは『梨泰院クラス』ですね、今頃ですが(笑)。最後まで飽きることなく面白かったです。今までは洋画を見ることが多かったですが、ネットフリックスに登録していなければ出会えなかったなと思う作品を見てます。なるべくトレンドもチェックして、やっと世間に追いついたところです (笑)。
キャラクターがどんな表情をしているのかわからないので難しかった
高野:キャラクターがどんな表情をしているのかわからない状態で収録しているので、そこは難しかったですね。でも、台本自体が感情表現豊かだったので、心情を疑問に思うシーンなどはなかったです。あとは、通常よりも息遣いを多めに入れたり、アドリブもいろんなパターンを録ったり、サンプル録りに似ているところもありました。
高野:命が吹き込まれたと思いました! 収録は2018年頃でしたが、完成版はつい最近見ました。色使いから表情まで、収録の時は見られなかったので感動しました。当然ですが、キャラクターを作り上げるのは声優の仕事だけじゃないと痛感しました。
高野:体のサイズ感なども意識しています。息一つでも赤ちゃんのときと成長してからでは肺の大きさも違うので。
高野:作品の雰囲気にも寄り添った音作りを心掛けています。
高野:私にとって歌は街中で流れていたり、元気をもらったり、あくまで聴くものであって、自分が歌うものという印象がなかったのですが、チャレンジして今年ソロデビューしました。表現の一環として新たな扉を開いて、活動の場を広げていきたいと思っています。
高野:『ウマ娘』で難しかったのは、おとなしいキャラクターなのでみんなで歌うときにどんなテンションで歌うといいのか悩みました。お祭り騒ぎのような曲のときに、どこまで気持ちが上がる子なのか調節するのが難しかったです。ソロ曲よりもむしろみんなで歌うときのほうが、個性を立たせることを意識しましたね。ソロのときはモノローグの感覚で、みんなで歌うときはライブ感を大切にして歌っています。
高野:ありがとうございます。
高野:人とロボットによる家族の絆に注目してほしいです!ロボットには心があるのか分かりませんが、確かに紡がれていく愛情が見える作品です。世界にとって人間は必要だろうか?という大きなテーマと共に自分が本当に大切にしたいものが見つかると思います。今だからこそ、大切なことを見つめ直せるキッカケになったら嬉しいです。
(text:入江奈々)
[訂正のお知らせ]
本文 第1段落、第3段落で以下の通り訂正しました。
訂正前:5月
訂正後:5月27日
訂正前:『デジモンアドベンチャー』
訂正後:『デジモンアドベンチャー:』
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