1979年京都府出身。1999年に相方の田村とともにお笑いコンビ「麒麟」を結成。2001年の「オートバックスM-1グランプリ2001」で結成2年目にしていきなり決勝進出を果たし、注目を集める。その後も「ABCお笑い新人グランプリ」「NHK上方漫才コンテスト」など数々の賞を獲得。幅広いジャンルで活躍している。趣味はゲーム 競馬、特技はイラスト。現在はTBS系朝の情報バラエティ番組「ラヴィット!」をはじめ、レギュラー番組多数。
『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』川島明インタビュー
「衣食“漫”で生きている」漫画好き芸人、書き下ろしキャラで声優できて感無量!
井上が僕と同じぐらいNGを出してくれたんで、さすが井上だなと
講談社「週刊少年マガジン」で約8年にわたって連載され、単行本は全41巻で完結。累計発行部数3,700万部を突破した鈴木央の大人気コミック「七つの大罪」。現在、最終章となるTVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』の放送が最終回を迎え、“最終章のその先”を描く『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』が7月2日より公開される。
そんな同作のゲスト声優として麒麟の川島明とNON STYLEの井上裕介の参加が決定。二人は、〈十戒〉のリーダーであるメリオダスの弟・ゼルドリスに仕える魔神たちを演じている。そこで今回は、「衣食“漫”で生きている」と自負するほどの漫画好き芸人としても知られる川島明に話を聞いた。
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川島:特に断っていたわけでもないんですけどね。むしろやりたいぐらいです。子どもの頃からアニメが好きでしたからね。
川島:マンガの「七つの大罪」はずっと前から読んでいた作品なので、(僕なんかでは)おこがましいなという思いと、作品に携われるという喜びと、半々でしたね。実はこの話をいただいたのは去年の秋ぐらいだったんですよ。それからこんな状況(コロナ禍)になっちゃったので、どうなったのか分からない時期が続いて。ひょっとしたらなくなったのかな。でもこればっかりはしょうがないかなと思っていたんですが、やっぱり本音を言うとやりたかったんで。だからあらためて声優をやることが決まって、収録の日を無事に迎えられたときは嬉しかったですね。
川島:自分をモチーフに、先生がわざわざ描き下ろしてくださったのかと思うと、それだけで「ほんまにこの世界に入って良かった」と思うぐらい嬉しかったですね。本当にかっこいいですよね。魔神Aでスピンオフを作ってほしいぐらいです。
川島:慣れない現場なんで、ひとりでやるより絶対に良かったなと思います。緊張しながらも、2人で会話することでテンションを高めるという部分もあったし。出番的に僕が先だったんですけど、僕が結構、早口になってNGを出してしまったことが何回か続いて。井上の前で恥ずかしいと思いながらも、なんとか一生懸命やってOKとなったんです。続いてやった井上が僕と同じぐらいNGを出してくれたんで、さすが井上だなと。助かりました(笑)。
川島:今回に関してはもう、ありがとうございました、という感謝の言葉しかないですね。それぐらいの役でしたし、キャラデザインをしていただいたのも感無量です。これも本当、自分にとって忘れられない思い出になりました。
川島:最初と最終巻を読んだ後では全然感想が違う作品だなと思っていました。最初はやっぱりヒーロー的な作品だと思っていたんです。世間に誤解されて、〈七つの大罪〉として指名手配されていた人たちが力を合わせて世界を変えるんだ、という物語なんだと思っていましたけど、全く違いましたね。
川島:そうですね。神話に近い話になっていきますよね。あとはやっぱり脇役がいない作品だなと思いましたね。全員が主役になる瞬間があって。しかも(主人公の)メリオダスが不安定なところもあって。絶対的なヒーローがどっちにつくか分からない。それを残りのメンバーで何とか導こうとするんだけど、その中にも裏切りがあったり。何が正義なのか分からないという作品でしたね。
川島:劇場版っていろんな形があると思うんですよね。『鬼滅の刃』みたいに、原作にあるエピソードを映画でやるというパターンもありますし、もう完全にスピンオフですということで、キャラクターは一緒なんだけど、ストーリーは新しいものをやっています、みたいなパターンもあると思うんですけど、これはそのどちらでもないんですよね。「七つの大罪」としてのコミックスは終わっているんですけど、まだ空白の部分もあるんで。おそらく今回の作品を観ることで、そこにパチンとピースがあてはまってくる。だから、この作品を見た後に、もう一回、漫画を読み返すと、またキャラが変わっているように感じたり、味わいが変わってくるんじゃないかなと思いました。
最近は、9時ぐらいには家の電気が消えてしまう
川島:基本的には僕、酒がめっちゃ好きで。よく飲みに言ったり、打ち上げに行ったりしていたんですけど、去年からそういうことがまったくなくなったんで。ステイホームで仕事がなくなった時期に、どうしようという気持ちはあったんですが、一方でめっちゃ漫画読めるやんという気持ちもあったんですよ。今まで漫画、アニメ、映画など、本当にやりたかったことがあまりできないままに仕事に行っていたんで。
川島:1回、自分の部屋に戻って、自分の好きなものをずっと見続ける。自粛して外に出ないことが正義とされるなんて、こんな幸せな時間はないなという風に捉えていたんで。その時間で改めて学習し直したというのはありますね。もちろんその習慣があるんで、今も飲みには行っていないですし。奥さんも酒は飲まないですし、子どもも小さいんで、9時ぐらいには家の電気が消えてしまう。でもさすがにその時間には寝られないし、11時半ぐらいまでの2時間半はずっと、漫画を読んだり、映画を見たりする時間にあてています。なのでよく、いつマンガ読んでんねんと言われることがあるんですけど、そこの時間が自分にとっての一番幸せな時間だったりするんですよ。
川島:そうですね、あとはやっぱり電子書籍ということも大きいですね。電子書籍の場合、面白かったら、次の巻をすぐに買えますから。それに、これを読んでいる人はこれも読んでいます、みたいなありがたいサービスもあるんで。電子書籍になってからめちゃくちゃ漫画にハマっていますね。「マンガ沼」で紹介してるやつも全部電子書籍で買うようにしていますから。ただ、新しい漫画を読むときは、9時から10時と決めているんです。
僕は11時半には寝ないと駄目だと思ってるんですけど、10時半ぐらいから着陸を目指さないと駄目だなと思っていて。ここから新作を読むと、目がさえてしまう。その時はもう何回目やねん、というぐらいの「こち亀」を読むんですよ。徐々に気流を安定させて、睡眠に持っていくようにしているので、セリフも覚えてるわっていうくらいに読み込んだ「ドラえもん」や「あしたのジョー」や「こち亀」なんかを読んでツーッと着陸したいなと思っています。あとはジャッキー・チェンの映画や、それこそ『ポリスアカデミー』とか『48時間』といった懐かしい映画を見たりしています。
川島:そうなんですよ。これが難しいんですよ。「あしたのジョー」とかを読み返していたら、今になって分かるセリフが出てくるんです。年齢やコンディションによっても感じ方って変わってくるじゃないですか。(ジョーの対戦相手として登場する東洋太平洋バンタム級チャンピオンの)金竜飛は、実はこの時焦っていたのか、とか。新たな発見があるんですよ。そうすると結局、2時くらいまで寝られないんです(笑)。
(text:壬生智裕)
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