ホラー映画の巨匠が半世紀前に残した幻の映画が日本初公開
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68年)『ゾンビ』(78年)などで知られるホラー映画の巨匠であり、2017年に他界したジョージ・A・ロメロが、73年に発表した幻の映画『アミューズメント・パーク』。制作から半世紀を経て日本初公開となる同作の本編から特別映像が解禁された。
・これが教育映画!? 容赦なく老人をぶちのめす描写がリアルすぎてお蔵入りに
「未知を恐れるな」の看板から始まるジェットコースターの映像。ゆっくりと登りはじめるジェットコースターに楽し気に余裕もある老人だが「急降下するぞ!」「下に滑り落ちる!」の声の後、「きゃー」というまわり の悲鳴と共に、老人の顔は徐々に強張り、恐怖の形相へと変わっていく。まわりの笑顔とは対照的に老人はその恐怖から抜け出すことができない。人生は山あり、谷あり、まるでジェットコースターのようであり、この短い映像から何かを感じ取ることができるのではないだろうか。あらすじが「遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう」という本作、このジェットコースターの後にたいへんな事態になるのだろうか。とにかくすさまじい肩の落ち方からしていたたまれなくなる、この世の孫たちは心を破壊される可能性のある映画であることは間違いない。
ジョージ・A・ロメロは68年に元祖モダン・ゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を発表し、一般的に知られているゾンビのイメージを作り上げた。さらにその続編『ゾンビ』(78年)でゾンビ映画というジャンルを確立し、全世界を恐怖のどん底へ叩き落した。そのロメロが73年に発表した『アミューズメント・パーク』は、2017年に16ミリ・プリントが発見され、ロメロの死後に夫人の妻のスザンヌ・デロッシャー=ロメロが立ち上げた非営利団体「ジョージ・A・ロメロ財団」によって4Kレストア作業が行われた。
『アミューズメント・パーク』は、もともと年齢差別や高齢者虐待について世間の認識を高めるためにルーテル教会から依頼された企画だったが、老人の悲惨な状況をあまりにも容赦なく描いていたために封印されることになった。過去にロメロの回顧上映などでかけられたことはあったものの、ロメロの生前にフィルモグラフィーに記載されたことはなく、ロメロ自身がインタビューなどでその存在に触れたこともなかった。熱心なファンにすら知られていなかった、まさに幻の作品だ。
今回、貴重な『アミューズメント・パーク』日本公開にあたり、同監督の1973年作品『ザ・クレイジーズ』と1977年作品『マーティン/呪われた吸血少年』も併せて劇場公開される。『ザ・クレイジーズ』は人間を凶暴化させる細菌兵器が引き起こすパニックを描き、2010年にはブレック・アイズナー監督によってリメイクされている。『マーティン』は現代を生きる孤独な吸血鬼青年の苦悩をテーマにしており、生前のロメロが自作のフェイバリットに挙げていた作品だ。
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