小松菜奈共演『恋する寄生虫』メイキング
新進気鋭の作家・三秋縋のベストセラー小説を林遣都と小松菜奈のW主演で映画化した『恋する寄生虫』が公開中。このたび、本編とメイキング映像が公開された。
林遣都扮する潔癖症の高坂と、小松菜奈扮する視線恐怖症の佐薙。
今回公開された映像からは、そんな2人にのりうつったかのように体感できる柿本ケンサク監督ならではのCGと演出の表裏がわかる。
高坂の手のひらからばい菌が広がっていく描写や、グロテスクな目玉に囲まれ佐薙が怯える様子など、特殊効果に注目が集まりがちだが、中にはハリウッド映画のように大規模な仕掛けで撮影されたシーンもある。
極度の潔癖症を抱える高坂は他人の存在を受け付けられず、体が限界を超えると嘔吐してしまう。他人と接触しなければならない公共交通機関も避け自転車に乗る生活をしているが、ある事情からやむを得ず苦手なバスに乗車することになった場面。
耐えられなくなってしまった高坂の吐き気が込み上げるという表現を、“波が襲ってくる”という視覚的な比喩で表現しているのだが、このシーン、本物のバスに大量の水を流し込んで撮影したのだ!
窓の景色は合成のため、バスの周りにグリーンバックをセッティングしたうえで、後部ドアの部分から滑り台のような装置を作り、海藻が入った大量の水がバスの中の林を目掛けて一気に流し込まれる。
ちなみに、このシーン以外にも高坂の部屋を使った同様の演出がある。そこでも、高坂の部屋のセットをそのまま屋外に持ち出し大量の水を流して撮影された。
1日で2つの洪水に遭った林。体を張った撮影の様子に驚かされるメイキング映像だ。
世界の終わりを願っていたはずの2人の恋の結末は?
本作品は、極度の潔癖症で人と関わることができずに生きてきた青年・高坂賢吾(林)と、視線恐怖症で不登校の高校生・佐薙ひじり(小松)の繊細で儚い恋愛物語。
あえて嫌われるような態度をとる佐薙に辟易していた高坂だったが、やがて自身の弱さを隠すための振る舞いにすぎないことに気付き、共感を抱くようになる。世界の終わりを願っていたはずの孤独な2人はやがて惹かれ合い、恋に落ちていくが──。
この2人の運命の出会いに深く関係する重要な役を井浦新と石橋凌が務め、脇を固める。
監督は、現在放送中の大河ドラマ『山室有紀子』のタイトルバック映像も手掛ける柿本ケンサク。脚本は『眉山―びざん―』『トワイライト ささらさや』の山室有紀子。
『恋する寄生虫』は全国で公開中だ。
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