格差や貧困など社会問題に向き合い続けるケン・ローチ監督のデビュー作、53年ぶりに蘇る!

#ケン・ローチ監督#わたしは、ダニエル・ブレイク#夜空に星のあるように#麦の穂をゆらす風

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恋人は泥棒、幼子を抱えて生き抜こうとするシングルマザーを描く

12 月17 日より新宿武蔵野館ほかで公開されるケン・ローチ監督の長編デビュー作『夜空に星のあるように』。この度、予告編が解禁になった。

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ケン・ローチ監督は、2000 年代に入り『麦の穂をゆらす風』(2006年)、『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016年)の 2 作品がパルムドール(最高賞)を受賞。80 歳をこえても尚、新作を発表し続けている彼は、格差社会、貧困、人種差別といった社会問題を取り上げ、労働者階級やときに第3世界からの移民たちに寄り添った映画を撮り続けている稀有な映画監督である。

『夜空に星のあるように』は、そんなケン・ローチ監督の長編映画デビュー作。その一貫した視点やプロ、アマを問わないキャスティング、ロケ撮影中心、大胆なシーンの省略、即興性等、監督のその後の映画に見られる特長が顕著に表れている作品といえる。

この度解禁された予告編では、キャロル・ホワイト演じるシングルマザーのジョイが、恋人のデイヴと生活を共にする姿が描かれる。幼い息子にも優しいデイヴとの、貧しくも笑顔あふれるあたたかい生活。しかし、デイヴの職業は泥棒だった。やがて捕まったデイヴは懲役12年を言い渡される。悲しみに暮れて裁判所を後にするジョイ。ロンドンの労働者階級街を、幼い子どもの手を引いて歩く姿と共に、ドノヴァンがこの映画のために提供したテーマ曲「Poor Love」が流れるのが印象的だ。

そして、カメラは、今は取り壊され姿を消している集合住宅街やその街に生きる人々の姿をスケッチのようにとらえていく。現在まで一貫してイギリスの労働者を描き続けてきたケン・ローチだが、本作においても、ドキュメンタリータッチで市井の人々の姿を映し出しているのが、予告編からも見て取れるだろう。「女に必要なのは男。そして子供」と語るジョイ。予告編の最後のカットではジョイが「今の人生を幸せだと思わなきゃ」をカメラに向かって語りかけるシーンで終わっている。

夢と現実のはざまで揺れ動き、必死に生き抜こうとするシングルマザーを、静かなまなざしで見つめる感動作が、53 年ぶりにスクリーンに蘇る。古さを感じさせないどころか、新鮮な感動を与えてくれるだろう。

映画『夜空に星のあるように』は、2021年12月17日より新宿武蔵野館ほかで公開。

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