ルーマニアの鬼才ラドゥ・ジューデ監督の最新作『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版』が4月23日より全国順次公開される。今回、予告編が公開された。
・ベルリン金熊賞受賞した禁断の問題作、“監督検閲版”が公開へ『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ』
ベルリン国際映画祭で金熊賞受賞の話題作、〈自己検閲〉版で日本に上陸!
ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した本作。その後世界中で大きな反響を呼び、本年度アカデミー賞“国際長編映画賞”ルーマニア代表作品、さらにニューヨークタイムズが選ぶ2021年ベスト10第2位(6位は『ドライブ・マイ・カー』)に選出されるなど、その快進撃は止まらない。
「抗不安薬を1錠でいいんです、今夜かなり緊張しそうで」…薬局で薬を求める、ルーマニア・ブカレストの名門校教師・エミ。彼女を待ち受けているのは、夜に控えた緊急招集の保護者会だ。エミは夫とのプライベートセックスビデオが意図せずネット上に流出し瞬く間に拡散し、生徒や保護者の目に触れ、事情説明のために日中校長宅に向かっていた…。
公開された予告編では、街を彷徨うエミの姿を追い続け、彼女に募る不安と苛立ちが社会全体に蔓延しているかのような一触即発な緊張感が漂っている。さらに畳みかけるようにどこか突拍子もないモンタージュの数々が、皮肉たっぷりに挑発的に重ねられていく。
三部仕立てになっている本作では、第一部では、エミが歩き回る姿を追いつつ、すれ違うコロナ禍の人々や街の顔を捉え、第二部では、膨大なアーカイブ映像やコラージュ、そしてジューデ監督の頭の中をのぞくかのようなパゾリーニ、ベンヤミン、ブレヒト、クンデラ、サルトル、ウルフ…といった歴史、神話、映画監督、思想家らの格言やジョークの蓄積が大放出。そして迎える第三部では、学校でのエミの異端審問さながらの保護者たちによる終わりなき“裁判”がついに開かれる…。
セックスという極私的で本能的な行動が、ひとたび他人の目に晒されることで事態は思いもよらない方向へ転がってゆく様を、社会の偽善や偏見を浮き彫りにし、キレキレのブラックユーモアで鋭く切り込む。世界が同時に経験したパンデミックとその後の社会の閉塞感を背景に、“卑猥”とは何か? と改めて問いかける唯一無二の作品が誕生した。
いち教師のプライベートな“やらかし”が壮大に描かれる本作、結末がどうなるのかはぜひ劇場で確かめよう。
『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ監督〈自己検閲〉版』は4月23日より全国順次公開。
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