記憶喪失の男は、回復プログラムの末に──!?
第77回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門オープニング作品として選出され、さらにケイト・ブランシェットが作品に惚れ込み完成後にもかかわらず、エグゼクティブ・プロデューサーに名乗りを上げたクリストス・ニク監督のデビュー作『林檎とポラロイド』が3月11日より順次公開。この度、 映画祭でプロデューサ−に参加することになったケイトと、デビュー作とは思えない才能を開花させたクリストス監督の対談映像が公開された。
・記憶喪失を引き起こす奇病が蔓延する世界の記憶回復プログラム/映画『林檎とポラロイド』本編映像
ケイトは、映画の1シーンからパンデミック(コロナ禍)で、「人とのつながりなしに、自分は存在するのか? 私たちは人の記憶の中に存在するのか?」と自分の存在について考え、「この映画はとても深いと感じた」と感想を述べた。
一方、クリストス監督は、コロナ前の製作でありながら、コロナ禍を意識させる作品となったことに対して「共感を得やすくなったと思います」「パンデミックの中で、人々は孤立感や将来への不安を抱き、喪失感、孤独感を持っています」と映画との連動性を感じつつ、「記憶というテーマは、時を超えて、この先も通用する内容で、パンデミック後も残る物語」だと、本作品が普遍的内容であることも強調した。
監督は、リチャード・リンクレイター(『6才のボクが、大人になるまで。』)や、ヨルゴス・ランティモス(『女王陛下のお気に入り』)の助監督を務めていたクリストス。奇抜なアイデアと人間への優しい眼差しが印象的な上、彼らの持ち味を独自に昇華させ創り上げたデビュー作『林檎とポラロイド』は、ワールドプレミアとなった2020年ヴェネチア国際映画祭で上映されるや、「見事なまでに胸を打つ(ガーディアン紙)」「魂のこもった今日性のある映画(ヴァラエティ誌)」と、その独創的で普遍的な物語に、絶賛の嵐が巻き起こった。
その評判を耳にしたケイトは、監督の才能に惚れ込み、エグゼクティブ・プロデューサーとして参加することを熱望し、新たにクレジットされた。
次回作はケイトプロデュース、キャリー・マリガン主演での製作が決定。2作目にして早くもハリウッド・デビューを果たすクリストス。世界が注目する監督の1人となる。
映画『林檎とポラロイド』は、3月11日より順次公開。
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