差別や迫害を受け、近代化を背景に山の中だけでは生きていけなくなったノマドたち
かつて日本の山々に実在した漂泊の民・山窩(サンカ)をモチーフに孤独な少年とサンカ一家の交流を描いた人間ドラマ『山歌(サンカ)』が、4月22日より劇場公開される。この度、予告編が完成した。
・強烈な顔面パンチを食らって忘れかけていた興奮が蘇る男の狂気の沙汰!
日本に実在していた山の漂泊民、山窩。彼らは戸籍を持たず、山から山へ、旅の生活を続け生きていた。また竹細工や籠、箕(み)などを作り、直し、川魚を獲り、それらを売ることを生業とし、山中と山里を行き来した。日本社会の近代化とともに減少し、そのほとんどが一般社会に溶け込んだと言われている。
今回公開された予告編は、1965年の山村を舞台に、都会から受験勉強のため祖母の家がある田舎へ帰ってきた中学生の則夫が、サンカの家族と出会い、その力強さに魅了される姿を映し出す。その一方で、彼らが社会からうける差別や迫害、近代化を背景に山の中だけでは生きていけなくなる姿が、則夫の目線で次々と展開されていく。
主人公・則夫を演じるのは、『半世界』(18年)『罪の声』(20年)『孤狼の血LEVEL2』(21年)など話題作への出演が続き、いま最も注目される若手実力派俳優、杉田雷麟。初主演となる本作品ではナイーブさを漂わせた孤独な少年を好演する。則夫が出会う野性味あふれる心優しいサンカの娘ハナには、女優、アーティストとして活動する小向なる。その父親で流浪の民サンカ一家の長、省三を渋川清彦が独特の存在感をたたえ体現している。
監督は、北日本の馬文化に密着したドキュメンタリー映画『馬ありて』(19年)など「自然の中で人間がいかに生きるか」をテーマに映画を撮り続ける笹谷遼平。映画『山歌(サンカ)』は、第18回伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞を受賞した『黄金』(旧題)の映画化で、自身初の長編劇映画作品となる。
『山歌(サンカ)』は4月22日より劇場公開される。
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