日常に起きた小さくて大きな奇跡のような出来事が合わさり、じんわりと胸く
過去を抱えながらも今を生きる主人公にこれから訪れるだろう幸せや希望を爽やかに映し出した“大人のおとぎ話”『ツユクサ』が、4月29日より全国公開される。この度、主題歌使用30秒予告映像が公開された。
・小林聡美、穏やかな日常のなかにみつける「ファンタジーがあって、恋愛もあって…」
『かもめ食堂』(06年)『めがね』(07年)でその自然体な演技に女性たちから絶大な支持を得てきた小林聡美を主演に迎え、安倍照雄によるオリジナル脚本を、『愛を乞うひと』(98年)『閉鎖病棟-それぞれの朝-』(19年)など、さまざまな視点から人生を描いてきた平山秀幸監督が映画化。旧知の仲である平山と安倍が10年以上あたため続けてきた人生賛歌の物語が誕生した。
とある小さな田舎町で暮らす芙美。気の合う職場の友人たちとほっこり時間を過ごしたり、うんと年の離れた親友の少年と遊びに出かけたり、ある日、隕石に遭遇するというあり得ない出来事を経験したり。
そんなふうに日々の生活を楽しく送るなかで、ときおり見え隠れする芙美の哀しみ。彼女がひとりで暮らしていることには理由があって、その理由には“ある哀しみ”があって、そして草笛をきっかけに出会った男性と恋の予感も訪れて……。
本作品のエンディングに流れるのは、平山監督たっての希望から起用された、1969年に発表された「あなたの心に」。女優や声優として活躍していた中山千夏が、21歳の時に自ら作詞した本曲を吹き込み、当時のビクターレコードから正式に歌手デビューを果たした昭和の名曲だ。
作曲は、山本リンダや、ピンク・レディーらを手掛けた、日本を代表する作曲家の都倉俊一。「あなたの心に」は都倉にとっても作曲家デビュー作であり、当時、無名の大学生だった都倉が、他人に書いた初めての楽曲となる。
そんな若い2人の瑞々しい感性によって生み出されたこの曲は、その年のレコード大賞新人賞にもノミネートされ、年間チャートで2位、累計で40万枚を超す売り上げを記録した。その後、岩崎宏美や、メロン記念日の石井リカ、石川ひとみなど多くの歌手がこの曲をカバーし、今も歌いつがれている。
効果された30秒予告映像では、主題歌「あなたの心に」が使用されている。「だっていつもあなたは笑っているだけ そして私を抱きしめるだけ」と、中山の切なくも明るい歌声と、主人公・芙美の日常に起きた小さくて大きな奇跡のような出来事が合わさり、じんわりと胸に響いてくる予告映像となっている。
『ツユクサ』は4月29日より全国公開される。
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