タリバン政権下で懸念される“女性の権利”…アフガニスタン女性監督が映すカブールで生きる妊婦たちの「リアル」とは

#アフガニスタン#ヴェネチア国際映画祭#ウクライナ#サハラ・カリミ#明日になれば〜アフガニスタン、女たちの決断〜

(C)2019 Noori Pictures

ヴェネチア国際映画祭に正式出品されたアフガニスタン初のインディー映画『明日になれば〜アフガニスタン、女たちの決断〜』が56日より全国順次公開される。今回、特報映像が公開された。

・アンジー、鶴田真由らがタリバン政権下のアフガンで生きる女性にエール

収益の一部は人道支援、復興支援のためウクライナ大使館に寄付

20218月、イスラム原理主義組織タリバンによって制圧されたアフガニスタン。カブール掌握後初の記者会見で、タリバンの報道担当幹部は女性の権利は「シャリア(イスラム法)の枠組みの中」で尊重されると発表したが、その真意はまだ明かされない。世界が懸念する中、本作ではカブールで生きる、リアルな彼女たちの生活が映される…。

義父母の面倒を見ながら家事に追われる孤独な妊婦。7年間浮気し続けた夫と離婚を決意するも、妊娠が発覚した高学歴のニュースキャスター。妊娠したと同時に姿を消した恋人がいながら、いとこのプロポーズを受け入れた18歳の少女——年齢、生活環境、社会的背景が異なる3人のアフガニスタン女性が初めて直面する人生の試練をそれぞれ描いたオムニバス・ドラマだ。

本作はアフガニスタン映画機構(Afghan Film)初の女性会長を務める新鋭、サハラ・カリミの長編監督デビュー作にして、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品となった。タリバン政権下になり、女子中等教育再開当日に再び禁止され、女性のみで飛行機に乗ることも禁じられた今、アフガニスタンを舞台にした女性たちのドラマに注目が集まっている。

なお、昨年8月タリバンがカブールを制圧した際、サハラ・カリミ監督がウクライナのゼレンスキー大統領の助けにより、ウクライナに難民として受け入れてもらい、キーウ(キエフ)に避難したという関係から、非売品クリアファイルの特典付き全国共通前売券(税込1500円)の売上を含め、本作の上映での収益の一部は人道支援、復興支援のためにウクライナ大使館に寄付される。

ウクライナ支援にもつながる本作の鑑賞。ぜひ、劇場に足を運んでみてはいかがだろうか。

『明日になれば〜アフガニスタン、女たちの決断〜』は56日より全国順次公開。

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