木竜麻生、“生き別れの母”薬師丸ひろ子の作ったハマグリの吸い物を口にした途端思いがあふれ出す…

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(C)2022『とんび』製作委員会

阿部寛と北村匠海が共演、父子の不滅の絆を描く“家族の物語”『とんび』が現在公開中。今回、本編映像が公開された。

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「たえ子さんと娘さんとの再会のシーンは号泣した」と絶賛される名シーン

今月8日に公開を迎えた本作品だが、早速劇場を訪れた人たちからは「今年で一番泣いた」「会場が感動と共感に包まれていた」「不器用なお父さんの姿に涙が止まらなかった」との声が上がり、各レビューサイトでも続々と高評価が寄せられている。

阿部寛演じるヤスと、北村匠海演じる息子のアキラ。“父と息子”の親子愛を描いた本作品だが、実はもう一つ、“母と娘”の物語も描かれている。小料理屋「夕なぎ」の女将・たえ子(薬師丸ひろ子)とその娘・泰子(木竜麻生)の物語だ。

小料理屋の女将・たえ子は、農家に嫁いで2年目に生まれた娘・泰子がいた。しかし、生まれた子が男の子でなかったことから、嫁ぎ先の家族から心無い言葉を浴びせられてしまい、たえ子は娘を置いて逃げてしまった。そのまま生き別れた2人だったが、泰子は縁談が決まり、母に会うために夕なぎを訪れたのだ。

ヤスに連れられて、暖簾をくぐった泰子。たえ子は「いらっしゃーい……」と迎え入れるも、途端に娘に気づき、目もくれない。お茶を注文した泰子に対し、たえ子は、「飲み屋にきたらお酒飲みんさい。郷に入れば郷に従え、言うでしょう」とよそよそしく振る舞う。

娘を捨ててしまった自責の念から、愛娘との再会にもうまく感情が現わせず、冷たく接してしまうたえ子。さらには、「商売を続けるコツ、一番は忘れること。済んだことをいちいち覚えとったら、やっていけんもんな。うちなんかなーんも覚えとらん」「一日一日育てていくんが、どげーに大変なことか、いつか娘さんにも言うてあげんさいよ」と、他の客と話すときにも、思ってもないことを次々に口にしてしまう。

痺れを切らした照雲(安田顕)が、「たえ子さん、そのお嬢さんになんか食べさせてあげんさいよ。『夕なぎ』の料理は全部、お袋さんの味じゃがな」と、たえ子に伝えると、重い腰をあげて料理を作り出す。泰子に振る舞った料理は、婚礼のお祝いに使われるというハマグリの吸い物。

不器用ながらも真っ直ぐ、料理で思いを伝えたたえ子が「おいしい?」と聞くと、「おいしいです」と答える泰子。そして顔を見つめ合うと、互いに我慢していた気持ちが溢れ出し、どちらともなく涙が零れ落ちてしまう……。

劇場に足を運んだ人からも、「たえ子さんと娘さんとの再会のシーンは号泣した」「薬師丸ひろ子さんの表情の演技にグッときました」と、母娘の関係性や薬師丸の演技が多くの人の胸を打ったようだ。

会っていない母娘の時間、お互いの思いを感じさせる名シーンの本編映像。すでに映画を見にいった人もそうでない人も、ぜひ味わってみてはいかがだろうか。

『とんび』は48日より全国公開。

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