米アカデミー国際長編映画賞に3度ノミネートされ、多くの映画祭で華々しい受賞歴を誇る中国の巨匠チャン・イーモウ監督の最新作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』より、オープニングシーンの撮影に関するメイキング映像が解禁された。
・中国の囚人、収容所から逃走…その理由は「娘が1秒だけ映る映画を見るため」?
チャン・イーモウ監督「映画の始まりに合う。神がかっていた」
フィルムの中にたった1秒だけ映し出されているという娘の姿を追い求める父親(チャン・イー)と、幼い弟との貧しい暮らしを懸命に生き抜こうとする孤独な少女(リウ・ハオツン)。文化大革命時代の中国、広大な砂漠を大胆に映し出す圧倒的な映像美を背景に、娘への父の思いを描いた本作は、長年チャン・イーモウ監督が映画化を熱望していた企画であり、作品全体にあたたかく流れるのは、チャン・イーモウ監督のたしかな“映画への愛”だ。
解禁されたメイキング映像では、すさまじい砂嵐が吹き荒れる。撮影機材をあわててブルーシートで保護し、チャン監督も俳優に待機するよう伝えるが、一向に天候は回復しない。考えた末に、撮影を中止するのではなく、砂嵐を利用して撮影をするプランに急遽変更。「撮影準備だ!」とチャン監督のかけ声で現場が一気に撮影準備に動く。
視界最悪の砂嵐の中、チャン・イーが砂漠を足早に歩く様を撮影していく。砂嵐のあとには雹(ひょう)まで降ってくる悪天候だったが、俳優、スタッフ一丸となり撮影を進める。結果、風がすごく強いため早歩きなのが「迫られてる感じが生き生きとしてて、すごくいい」と映像を確認しうなずく監督。そして「さっきのテイクを使う。時の運だ。映画の始まりに合う。神がかっていた。風が吹いてくる砂漠は神秘的だった。灼熱の下を独りより、こっちのほうがいい」とチャン・イーと話すチャン監督の表情からも手応えが感じられる。
『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』は5月20日より全国公開。
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