92年に起きた「金沢女性スイミングコーチ殺人事件」の謎と真実を世間に問う
元刑事が当事者本人役で主演し、未解決事件の真相に迫るミステリー『とら男』が、8月6日より全国順次公開されることが決定。これに併せて本作の予告編が解禁された。
・上映は「殺人犯を誘き寄せるため」の罠? 全米震撼の未解決事件を映画化、張り込み続けた監督の執念
かつての未解決事件の真相に迫るセミドキュメンタリータッチのミステリー。とら男は、ある事件のことが忘れられないまま孤独に暮らしている元刑事。そんなある日、東京から植物調査に来た女子大生かや子と偶然出会う。とら男の話に興味を持ち、彼女は事件を調べ始める。誰からも忘れられた事件はゆっくりと動き出していくことになる。
1992年9月に起きた「金沢女性スイミングコーチ殺人事件」。未解決事件のまま、2007年に時効が成立した。犯人の目星をつけながらも、逮捕に至らなかった西村虎男、刑事歴30数年の執念の捜査は終わらない。時効から15年、当事者本人役で主演し、現実とフィクションの二重構造を軸に、闇に葬られた事件の謎と真実を世間に問う。
西村は1950年石川県生まれ。元石川県警特捜刑事。42年間の警察人生の内、32年間刑事人生を歩き、未解決となった女性女性スイミングコーチ殺人事件捜査を最後に、刑事生活を終える。退職後は事件を扱った電子書籍「千穂ちゃん、ごめん!」を書きあげた後、農園で野菜作りをしながら、細々と執筆活動をしていた。
彼は自身が映画に出演するとは夢にも思ってなかったという。「軽い気持ちで撮影場所などの案内をし、その時に初めて私が出演する映画として準備が進められていることを知り、一瞬戸惑ったのですが、村山監督の映画に掛ける熱意と人柄に押し切られ“なるようになれ”との思いで、カメラの前に立つことにしました」と語る。
監督の村山和也はCM・MVを中心に映像ディレクターのかたわら、短編『堕ちる』(17年)制作、本作が初の劇場用長編映画となる。監督自身、殺人現場の近くに住み、幼い頃から興味を持っていた事件で「虎男さんの無念さを映画で表現したかった」と語る。再捜査はまだ続く。
『とら男』は8月6日より全国順次公開される。
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