生理、妊娠、中絶──タブー視されがちな「女性あるある」描いた話題作

#グレタ・ガーウィグ#ケリー・オサリヴァン#セイント・フランシス#レディ・バード

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心身ともに不安定な主人公が選んだ生き方とは?

ケリー・オサリヴァン主演・脚本デビュー作でもある『セイント・フランシス』(8月19日公開)より予告映像が公開された。

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34歳で独身、大学も1年で中退、レストランの給仕として働く、身体も心も未だ不安定なブリジット。 “質問 30代半ばで何をすべきか?”。部屋で1人、切実すぎる悩みをPCに打ち込む彼女の姿から映像は始まる。やがてブリジットは夏のナニー(子守り)の短期仕事をようやく獲得。しかし、喜びも束の間、子どもとの慣れない日々に加え、予期せぬ妊娠や、両親からのさまざまなプレッシャーなど様々な<厄介ごと>ばかりが降りかかる……。

ずっとうだつのあがらない日々を過ごすブリジットの人生に、ナニー先の6歳の少女フランシスや、その両親であるレズビアンカップルとの出会いにより、少しずつ変化の光が差してくる。

「夏が終わる頃、私はもっと強くなる」

最後に差し込まれたメッセージが自分の人生に正直に向き合う全ての人々の心に優しく突き刺さる予告となっている。

グレタ・ガーウィグの『レディ・バード』(17年)の女性の描き方に触発され、俳優として多くの脚本を読んで来た経験を生かして自伝的要素を織りこんだ本作品のオリジナル脚本の執筆を開始したというケリー・オサリヴァン。

「女性に生理がなかったら地球には誰も存在しないのに、若い頃から生理のことは隠すように教育されている」と語り、世界の女性が毎月向き合う日常の当たり前をおおやけに語ることがタブーとされ、キレイな部分だけが美化されている現状に疑問を感じ、女性の心身の本音を見せたかったのだという。

本作品を思いついたきっかけは「20代の頃にベビーシッターをしていて、いつかこれについて書きたいと思っていたの。だってこんなに奇妙でエモーショナルな仕事はないから」だと語り、次のように語った。

「お世話をする子どものことを本当に愛おしく思うようになるし、ある意味その家族の一員になるのだけど、一方で部外者のままでもある。家にいれば時々、その家族のとてももろい部分を目撃することもある。だけど仕事が終われば自分の家に帰るというね」

「それでその後、30代のときに私は中絶をして、この2つの経験、つまり中絶とベビーシッターが重なったらどうなるのかなと考えたの。だから映画のほとんどはフィクションだけど、リアルな場所から始まっている」

大げさなドラマに仕立てられがちな中絶経験も、人によっては淡々と向き合うなど、捉え方はさまざま。社会問題を上手に取りこみながら、大人だからこその苦悩と揺れ動く心情、そして今を生きる人たちの本音をユーモアと感動を交えてナチュラルに伝える凄腕は、まさにグレタ・ガーウィグの才能を彷彿とさせ、今後の活躍にも大きな注目が集まっている。

映画『セイント・フランシス』は、8月19日より公開。