伝説の“ゲイ”ヘアメイク師が親友の死化粧のために老人ホームを脱走!?
#Edge of Seventeen#ウド・キアー#ゲイコミュニティ#ゲイ文化#スワンソング#トッド・スティーブンス#LGBTQ映画
監督の実体験追想で最高のウド・キアーが見られる!?
引退したヘアメイクドレッサーが亡き親友の最後のメイクを施す旅を描き、世界各国の映画祭で感動を巻き起こしたウド・キアー主演映画『スワンソング』が8月26日より順次公開。この度、監督メッセージならびに日本版予告篇が公開された。
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現役生活を遠の昔に退き、老人ホームで過去の栄光に苛まれる伝説のヘアメイクドレッサー。そこに、わだかまりを残して亡くなった元顧客で親友の死化粧の依頼が舞い込む。ジャージ姿で見る影も無くなった浦島太郎状態のパットが、葛藤しながらも徐々に輝きを取り戻してゆく姿を描いた華麗なる予告篇となっている。
ここで、トッド・スティーブンス監督からのメッセージを紹介する。
1984年、私は初めて故郷の小さな町にあるゲイバー、“ザ・ユニバーサル・フルーツ・アンド・ナッツ・カンパニー”に足を踏み入れた。フェザーボアを首に巻き付け、柔らかなフェルトのつば広帽をかぶり、お揃いの パンツスーツを着た“ミスター・パット”・ピッツェンバーガー。17 歳の私にとって、パットは神のごとく輝いていた。
数年後、自伝映画『Edge of Seventeen』に着手しようと思っていた私は、すぐに“ミスター・パット”のことが頭に浮かんだ。彼のことを追跡しようと故郷に戻った私は、彼が動脈瘤を患い、一時的に話せなくなってしまったことを知った。だが、彼の恋人デビッドが私に物語を聞かせてくれた……。パットがかつてオハイオ州サンダスキーでどれほど素晴らしい美容師だったか、彼の有名な女装パフォーマンスについて、70年代、彼がどんなふうにキャロル・バーネットのようなドレス姿でスーパーマーケットに買い物に行っていたか……。
実のところ、“ミスター・パット”に刺激されて私は『Edge of Seventeen』を書いた。重要な“パット”のキャラクターを主人公の良き相談相手として書いていたが、撮影の途中でその役はカットされた。
『スワンソング』は、急速に消えていくアメリカの“ゲイ文化”へのラブレターなのだ。クィアであることが以前よりずっと受け入れられてきた矢先に、昔栄えていたコミュニティが、あっという間に社会の中に溶けてなくなっていく。同化作用とテクノロジーのおかげで、“ザ・ユニバーサル・フルーツ・アンド・ナッツ・カンパニー”のような小さな町のゲイバーは消えていく運命にある。『スワンソング』を、忘れ去られたすべてのホモセクシャルのフローリストと美容師たちに捧げよう。彼らがゲイコミュニティを築き、私たちの多くが今日までしがみついてきた権利のための道を切り開いてくれたのだ。だが、何よりも、私にとってこれは、もう一度生きるのに遅すぎることは決してないということを教えてくれる映画なのだ。
映画『スワンソング』は、8月26日より順次公開。
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