障がい抱えたボクサーの実話描く感動作に全国が熱狂『義足のボクサー GENSAN PUNCH』製作の裏側

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(C)2022「義足のボクサー GENSAN PUNCH」 製作委員会

義足のため日本でプロの夢を絶たれた男がフィリピンでプロボクサーを目指す感動の実話『義足のボクサー GENSAN PUNCH』が現在公開中。今回、製作現場に密着した特別映像が公開された。

・フィリピンでプロを目指す日本人“義足のボクサー”の過酷すぎるトレーニング風景

社会問題扱うスポーツ映画を描く難しさ…監督、脚本、編集の目線から語る

本作品は、プロボクシングライセンスが取得できない日本からフィリピンへと渡り、プロボクサーを目指した“義足のボクサー”を描いた感動作。

今回、ブリランテ・メンドーサ監督と尚玄の製作現場に密着したスペシャル・メイキング映像が公開された。映像は物語の舞台となるジェンサン地区のジムに到着した尚生(尚玄)の微笑みから始まり、メンドーサ監督が語り始める。

「尚玄とタカ(プロデューサー・山下貴裕)にはカンヌで出会いましたが、私は2016年の『ローサは密告された』のためそこに行っていました。そこで彼らは自己紹介し、私たちと将来一緒に仕事をしたいと言ってくれたので私は“もちろんさ”と答えました」と“映画のはじまり”を振り返る。

日本や沖縄の文化はよく知らなかったという監督。「物語はボクサーについてでしたが、当時の私はスポーツものの映画を撮ったことがありません。ですからこれが初めてのスポーツ映画です。全く異なるジャンルなのでとてもワクワクしました」と、当時の気持ちを語った。

脚本家のホニー・アリピオが続ける。「社会問題を扱うスポーツ映画をどうやってつくればいいのか。キャラクターが困難に直面し、それを乗り越えていくというストーリーが予想できました。ですがこの映画は、障がいを抱えた日本人ボクサーの実話がもとになっています。彼は自国でライセンスを取得することができません。だから夢を追うためにジェネラル・サントスに行きました」。

その言葉に重なる映像では、ボクシングジムでプロボクサーたちと激しいトレーニングを続ける尚玄の姿が印象的に紹介されていく。ホニーの書いた物語と日本人ボクサー(土山直純)のファクトシートを受け取った編集&コンサルタントのアーマンド・ラオは、「脚本を読み、初期編集の本編を視聴したとき、障がい単体に焦点を当てないようにしようと決めました。そこには“差別”というもっと深い問題があったからです」と、単に“義足”にフォーカスするのではなく、主人公の奮闘を通して更に大きなテーマを見据えた。

「素晴らしいボクサーであるのに、障がいがあるからプロとして戦うことを認めてくれない」現実への挑戦を描くことを提案したのだ。

「このようにしてストーリー、映画製作、そして私たちの共同作品はスタートしました」というメンドーサ監督は、「もちろん私たちのメンターであるアーマンド・ラオの助言があったからこそ、編集においてさえも最後まで成し遂げることができたのです」と、コンサルタントのアーマンド・ラオへの感謝の言葉で締めくくっている。

『義足のボクサー GENSAN PUNCH』は現在公開中。

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