釜山国際映画祭、ソウル独立映画祭、大阪アジアン映画祭をはじめ、数々の映画祭で注目を集める韓国映画『なまず』が7月29日より全国順次公開される。今回、ムン・ソリが登場する場面の本編が公開された。
・イ・ジュヨンの恋人、18禁の隠し撮り写真が流出したと誤解!? “なまず”が見つめる恋愛群像劇の結末は
ムン・ソリが“信じたくない副院長”を魅力たっぷりに演じる
本作は、信頼と不信という普遍的なテーマを軸に、主人公ユニョンの半径0.5メートルで起こるハプニング、恋愛、決断といった、いくつかのエピソードがテンポ良く繋がり合い、心にぐっと刺さるセリフとカラフルで遊び心いっぱいの映像で紡がれる、近距離恋愛群像劇。
今回公開されたのは、本作の舞台のひとつである病院での出来事を映したワンシーン。鮮やかな水色の壁が広がる一室で紫色の受話器コードが部屋の隅から隅まで伸びていくカットから始まる。
受話器を持つのは副院長イ・ギョンジン(ムン・ソリ)。電話の相手に対し、「欠勤の理由は?」と詰め寄っている様子を捉えている。「体調不良ですか」「お大事に」と返しているが、その表情からかなり怪しんでいる様子が分かる。
そこに本作の主人公で看護師のヨ・ユニョン(イ・ジュヨン)がちらっと挨拶に入り、すぐにこっそりと出て行こうとする。実は前日ユニョンはイ副院長からある疑惑をかけられ自宅待機を命じられていたのだ。そんなユニョンを見つけ、「大変なことになった」と話すイ副院長。“大変なこと”とは何なのか? 本編が気になる場面となっている。
ムン・ソリと言えば、現在日本でも公開中の映画『三姉妹』(20年)や、『オアシス』(02年)、『ハハハ』(10年)、『お嬢さん』(16年)、『リトル・フォレスト 春夏秋冬』(18年)など数多くの作品で存在感を放つ、韓国を代表する名俳優であり、監督、プロデューサーとしても活動する大ベテラン。
ムン・ソリとの共演についてイ・ジュヨンは「ムン・ソリ先輩が出演されると聞いて、『なまず』は私の人生でこれ以上ないチャンスだと思った。共演できて本当に光栄」と語っており、後輩からも慕われ尊敬されていることが分かる。
インディーズ映画である本作では、ダーツをしたり、ゴリラとCM撮りをしたりと、ベテラン俳優がどこか楽しんで演じているのが本編から見て取れる。このちょっとおかしな役柄もムン・ソリが演じるからこそ魅力に溢れているのも見どころだ。ムン・ソリが演じる“信じたくない副院長”という役柄について、イ・オクソプ監督は「愛らしい役にしたかった」と語っており、もともとムン・ソリのファンだったことも明かしている。
ムン・ソリ自身は「シナリオを見て魅了された。強く見えるけど、人を信じることが出来ない弱い人。信用が壊れた時、人の心がどのようになるのかが分かる人物」と分析し、「機会があればまたイ・オクソプ監督と一緒に仕事がしたい」と、新しい才能を称えた。複雑な役柄でありながら愛らしく軽やかに演じるムン・ソリの魅力に注目だ。
『なまず』は、7月29日より全国順次公開。
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