30年間隠蔽されていたソ連最大の労働者蜂起事件! 軍が5000人のデモ参加者を無差別銃撃

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巨匠アンドレイ・コンチャロフスキー監督がえぐりだすソ連社会の暗部

巨匠アンドレイ・コンチャロフスキー監督がソ連で起きた衝撃の事件を映画化した『親愛なる同志たちへ ─ソ連共産主義の理想と現実─』が、8月3日にDVDリリースされる。今回、本作の予告編が解禁された。

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フルシチョフ政権下のソ連では物価高騰と食糧不足が蔓延していた。共産党市政委員会のメンバーである女性リューダは、国中が貧しい中でも贅沢品を手に入れるなど、党の特権を使いながら父と18歳の娘スヴェッカの3人で穏やかな生活を送っていた。

そして1962年6月1日、ソ連南部ノヴォチェルカッスクの機関車工場で大規模なストライキが勃発する。物価高騰や給与カットで生活の困窮にあえぐ労働者たちが抗議の意思を表したのだ。これに危機感を覚えた政権はスト鎮静化と情報遮断のために高官を現地に派遣するが、デモの参加者は5000人に膨れ上がり、戦車までが出動する事態に陥る。

その翌日、ソ連軍がデモの参加者や市民に対して無差別銃撃を開始。リューダは18歳の愛娘スヴェッカの身を案じ、凄まじい群衆パニックが巻き起こった広場を駆けずり回る。

本作はソ連で起きた最大の労働者蜂起事件「ノヴォチェルカッスク事件」の映画化である。同事件ではソ連軍の暴力的な鎮圧により死者26人、負傷者数10人、処刑者7人、投獄者数100人が出たが、その詳細はソ連が崩壊するまでの約30年間隠蔽されていた。

監督を手がけたのは、『暴走機関車』(85年)や『映写技師は見ていた』(91年)、タルコフスキー作品の共同脚本などで知られるアンドレイ・コンチャロフスキー。事件を再現するため徹底して細部にまでこだわり、サスペンスとアクション、そして心理表現を巧みに織り交ぜ、リューダがたどる激動の3日間をスリリングに描き出した。

『親愛なる同志たちへ ─ソ連共産主義の理想と現実─』は8月3日にDVDリリースされる。

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