戦後30年を過ぎてなお、枯葉剤の影響で重い障害を持って生まれた子どもたち
『花はどこへいった』(07年)『沈黙の春を生きて』(11年)の坂田雅子監督が、およそ20年にわたってベトナム枯葉剤被害者の終わらない現実を記録したドキュメンタリー映画『失われた時の中で』。本作の予告編は、枯葉剤被害者、そして彼らを支える家族や医師の声と厳しい現実を伝える。
・ドイツ研究者と大学生が激論「ユダヤ」「ナチス」そして「ホロコースト」……
写真家だった夫・グレッグの突然の死。その理由がベトナム戦争時の枯葉剤にあるのではと聞かされた妻・坂田雅子は、夫の身に起こったことを知りたい一心でカメラを手に取り、ベトナムへ向かった。そこで目にしたのは戦後30年を過ぎてなお、枯葉剤の影響で重い障害を持って生まれてきた子どもたちと、彼らを愛しみ育てる家族の姿だった。
それからおよそ20年。ベトナムはめざましい経済発展を遂げたが、枯葉剤被害者とその家族は取り残されている。今なお、枯葉剤の影響で重い障害を持って生まれる子どもたち。そのケアを担い、家計を支えるために進学を断念せざるを得ない兄弟。無医村を周り支援活動を続ける医師。アメリカ政府と枯葉剤を製造した企業に対する裁判を起こした元ジャーナリスト。癒えることのない戦争に向き合い続ける人々の姿をカメラは静かに映し出す。
本作の公開を記念し、ポレポレ東中野ほか全国の劇場で加藤登紀子、小室等、アイリーン・美緒子・スミス、山極壽一他のゲストを迎えたトークイベントが予定されている。
また、ポレポレ東中野では坂田監督が亡き夫・グレッグ・デイビスへの追悼の思いを込めて 2008年に制作した短編『Out of Time』の上映も決定した。
『失われた時の中で』は8月20日より全国順次公開される。
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