フィクションとは思えないほどの生々しさ! 戦禍にあるウクライナの過去と未来を描いた衝撃的映像

#アトランティス#ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ#ウクライナ#リフレクション

2020年のアカデミー賞長編国際映画賞ウクライナ代表に選出

現代ウクライナを代表する映画人・ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチが製作・監督・脚本・撮影・編集を手がけた『アトランティス』(19年)と『リフレクション』(21年)。2作品の予告編は、至近距離に砲弾が着弾するなか、軍用トラックの背後で身を潜める兵士たちの姿から始まる。

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初めに紹介されるのは、戦争終結から1年後の2025年のウクライナ・ドンバス地域を舞台に、すべてを失い帰還した元兵士と戦死者の遺体を回収する女性の邂逅を描く『アトランティス』。廃墟と化した住居にたたずむ男、検死用のベッドに横たえられる死体…フィクションとは思えないほど生々しいショットが続くが、最後を飾るサーモグラフィの映像にほのかな希望を感じさせる。

続く『リフレクション』は、戦争のはじまりの14年を舞台に、ドンバス地域で捕虜となった外科医の苛烈な運命を1シーン1ショットの鮮烈な映像で綴る。冒頭の拷問シーンを始めショッキング描写を含む予告編となっているが、合間に挿入される幸せそうな家族のショット、ラストに見られる主人公と幼い娘の笑顔には救いを感じられる。

『アトランティス』は2019年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞、2019年東京国際映画祭審査委員特別賞をそれぞれ受賞し、2020年の米アカデミー賞長編国際映画賞ウクライナ代表に選ばれている。一方の『リフレクション』は、2021年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出。両作品とも世界的な注目を集め、高く評価されながら、これまで日本では劇場公開されなかった。

ヴァシャノヴィチ監督は1971年にウクライナ・ジトーミル生まれ。カルペンコ・カリー国立劇場・映画テレビ大学を卒業後、 2012年に『Business As Usual』(オデッサ国際映画祭にて上映)で監督デビュー。2014年にはウクライナ映画史上屈指の傑作との評価を得る『ザ・トライブ』のプロデューサー兼、撮影監督を務めている。

『アトランティス』『リフレクション』は10月5日より2作品同時リリースとなる。