ヨーロッパの食の都で“土井善晴が手がける和食”が世界デビュー
沢田研二主演、松たか子共演による中江裕司監督最新作『土を喰らう十二ヵ月』。水上勉 『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―』を映画化した作品で、主人公は長野の山荘で暮らす作家のツトム。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら原稿に向き合う日々を送っている。時折、編集者で恋人の真知子(松たか子)が、東京から訪ねてくるが、一方で、13年前に亡くなった妻の遺骨を墓に納められずにもいる……。
今回紹介する予告編は、沢田演じるツトムが山荘にやってきた真知子に「寒かっただろ?」と優しい笑顔をむける映像から始まる。
・沢田研二という名優、妖艶なスターで在りながら自然に物語を生きる才能
「つち? 土の香りなのね」と子芋の“土の香り”に気づく真知子など、要所要所のセリフで物語が動きだす。禅寺の和尚の教え、亡くなった妻の存在、「所詮人は、一人で生まれて、一人で死んでいく」というツトムの考え方など、本作の世界観が立ち上がっていく予告編に仕上がっている。
食いしん坊の真知子と旬のものを料理して一緒に食べるのは、楽しく格別な時間。悠々自適に暮らすツトムだが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいる…。
何より目を引くのは、“畑と相談して”ツトムが作る普段の献立、真知子の為に作る料理、通夜振る舞い。子芋の網焼き、炊き立てのみょうがご飯、わらびのおひたし、胡麻豆腐、ふろふき大根、若竹煮など、目に美しく、食欲をそそる料理が続く。本作は料理研究家の土井善晴が初めて映画の料理に挑んだ作品でもある。
本作は9月16日よりスペインで開催されるサン・セバスティアン国際映画祭「キュリナリー・シネマ部門」に出品が予定されている。ヨーロッパの食の都で、“土井善晴が手がける和食”が世界デビューを飾る。
『土を喰らう十二ヵ月』は、作家・水上勉によるエッセイ「土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―」を原案に沢田研二主演、『ナビィの恋』(99年)『盆唄』(19年)の中江裕司が監督・脚本を手がけ映画化した。共演には松たか子、西田尚美、尾美としのり、檀ふみ、奈良岡朋子ほか豪華俳優陣が脇を固める。
『土を喰らう十二ヵ月』は11月11日より全国公開される。
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