吉本ばなな原作「N・P」が現代のサイレント映画でよみがえる!?

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(c)2020 Escautville "N.P"

不協和音の中、ひと夏の愛の物語を予感させる!?

吉本ばななの長編小説「N・P」(90年刊行)を、映像作家リサ・スピリアールトが実写映画化した作品、映画『N・P』の劇場公開が決定。10月15日よりシアター・イメージフォーラム、10月8日より金沢・シネモンド、富山・ほとり座にて撮影地先行公開となる。

映画『N・P』は、ある夏の日本を舞台に、謎めいた故・高瀬皿男の小説『N・P』に魅了された4人の若者が、その1冊の本によって結びつけられてゆく様子が描き出される。監督を務めるのは、ベルギーを拠点とする映像作家リサ・スピリアールト。10 代の頃に初めて原作小説を読み魅了され、たった1人で 2015年に企画を立ち上げ、2017年に撮影、その後、慎重に編集・サウンドデザイン作業を重ね、約5年の歳月をかけ映画を完成させた。本作が初の長編映画監督作となる。

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「N.P」という一冊の本に魅了された若者たちを演じるのは、ベルギーを拠点に映像、アニメーション、壁画、陶芸など多岐 の表現メディアで活動するアーティストのクララ・スピリアールト、日本のコンテンポラリーダンスシーンで数々の受賞歴を持つ新進気鋭の振付家・ダンサーの川村美紀子、その他ヴァン=デ=ステーネ・サールチェ、宮村周志らが出演し、自殺した小説家とその子供たちをめぐる特異な愛の物語が、鮮烈な夏の光の中で描かれていく。

本作は状況音とノイズミュージックをバックにセリフが字幕で表示される独自のスタイルが貫かれており、その実験精神にあふれる表現が評価され、第31回マルセイユ国際映画祭 国際コンペティション部門をはじめとする、世界各国の映画祭で上映された。

予告編では「あるのは熱い陽射し それから強力な不在感 私は夏そのものだったような気がする」という印象的な言葉の通り、一冊の本をめぐる、ひと夏の鮮烈な愛の物語を予感させる、美しいシーンの数々が切りとられている。

『N・P』は10月15日より公開。