孤独な老人と若者が集まって“ファミリー”に!?
外山文治監督最新作『茶飲友達』の公開日が2023年2月4日に決定。2013年10月、高齢者売春クラブが警視庁に摘発された。クラブの会員数男性1000名、女性350名、最高齢は88歳。まさに超高齢化社会の日本が抱える、老人の孤独死、介護問題、おひとりさま問題などの不安が反映された事件――。本作は、この事件をもとにした社会派群像劇だ。
・茶飲友達、その正体は高齢者売春クラブだった/映画『茶飲友達』特報
主人公、佐々木マナは高齢者専門のコールガール「茶飲友達(ティー・フレンド)」を設立。新聞の三行広告に「茶飲友達、募集。」と掲載し、集まってきた男性の元へ高齢女性を派遣するビジネスを始める。「ティー・フレンド」に在籍する通称“ティー・ガール”たちの中には、介護生活に疲れた女性、ギャンブルに依存した女性などさまざまな事情を抱える者がいた。 一方、マナのもとで「茶飲友達」を運営する若者たちもまた、出口の見えない社会の中で閉塞感を抱えて生きている。 そんなままならぬ若者や高齢者を束ねるマナは、彼らを「ファミリー」と呼び、擬似家族のような絆を育んでいくのだが……。
外山監督といえば、長編デビュー作『燦燦-さんさん-』がモントリオール世界映画祭2014年に正式招待、2021年公開の『ソワレ』のヒットが記憶に新しい。“擬似家族”と化した高齢者専用売春クラブの姿を通して、現代社会に横たわる閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」を人情味たっぷりに描き出す。
予告編では、渡辺哲演じる、妻に先立たれた茂雄が新聞の三行広告に掲載された「茶飲友達、募集」の文字を見つける場面からスタートする。その広告の実態は、高齢者専門の売春クラブ「茶飲友達(ティー・フレンド)」の斡旋の入り口。
前半は“ティーガールズ”と呼ばれるコールガールに扮した高齢女性とクラブを運営する若者たちの仕事ぶりや、岡本玲扮する売春クラブの代表・マナが仲間に「うちらはこの街のセーフティーネット」とうそぶき、万引きに手を染める孤独な松子(磯西真喜)に「“ファミリー”になってくれませんか」と勧誘するシーンなどが収められていく。そんなセンセーショナルな前半から一転、後半はマナがビジネスを始めた“本当の理由”が語られていく。
そして最後は「『茶飲友達』それは、寂しさを埋め合う秘密の関係」というテロップで締めくくられ、現代社会に横たわる閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」が浮かび上がる予告編に仕上がっている。
『茶飲友達』は2023年2月4日より公開。
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