憎悪犯罪を全編ワンショットで映像化! 白人至上主義グループを結成した奥様たちの凶行

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リアルな没入感と息づまる緊迫感に圧倒される体感型クライム・スリラー

『ゲット・アウト』(17年)『セッション』(14年)のブラムハウス・プロダクションズが放つ、全編ワンショットの“体感型”極限クライム・スリラー映画『ソフト/クワイエット』。本作より、ゲームクリエイター・小島秀夫と作家・樋口毅宏のコメント、特報映像を紹介する。

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ホラー&スリラー界のトップブランド、ブラムハウスが新たに放つ本作は、大胆な撮影手法とセンセーショナルなテーマを融合させた衝撃的な問題作。92分の全編をワンショットで映像化し、アメリカで社会問題化しているヘイトクライム(憎悪犯罪)の狂気をえぐり出す。この上なくリアルな没入感と息づまる緊迫感に圧倒される体感型クライム・スリラーだ。

ソフト/クワイエット

郊外の幼稚園に勤める教師エミリーは、「アーリア人団結をめざす娘たち」という白人至上主義のグループを結成する。教会の談話室で行われた第1回の会合に集まったのは、主催者のエミリーを含む6人の女性。多文化主義や多様性が重んじられる現代の風潮に反感を抱き、有色人種や移民を毛嫌いする彼女たちは、日頃の不満や過激な思想を共有して大いに盛り上がる。

彼女たちはエミリーの自宅で2次会を行うことにするが、途中で立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹との激しい口論になる。腹の虫が治まらないエミリーらは、悪戯半分で姉妹の家を荒らすことを計画。しかし、それは取り返しのつかない理不尽でおぞましい犯罪の始まりだった…。

主人公エミリーの自尊心の高さと精神的なもろさを演じきったステファニー・エステスを始め、キャストはほぼ無名の俳優たち。しかし、インディペンデント映画や舞台などの出演経験が豊富な実力派が揃い、どの町にもいそうな“危険な隣人”をリアルに体現する。自らのオリジナル脚本を映画化し、長編デビューを飾った女性監督ベス・デ・アラウージョの卓越した演出力も見逃せない。

特報映像では、閑静な田舎町を歩く女性の後姿と共に、短いながらもおぞましさがヒシヒシと伝わってくる衝撃シーンが切り取られている。アジア系の女性に対する暴行シーン、そして悲鳴…。「表向きはソフトに。ひそかに心に入り込むの」と仲間に語りかけるミリーは、一体なにを企んでいるのか?

悪霊も悪魔もゾンビもモンスターもファイナルガールも出ない。何処にでもいる主婦たちが日常から転げ落ちる。人が人でなくなる恐怖をワンショットで見せつける。吐き気がするほど恐ろしいのは、それが心霊現象でも超常現象でもないからだ。今のご時世を見事に逆手に取った新しい“人間ヘイト”ホラー映画だ。
小島秀夫(ゲームクリエイター)

「アホでマヌケなアメリカ白人女」のいちばん長い日。分断社会が生んだ、2020年代最大のブチ切れ問題作!
樋口毅宏(ハードボイルド育児作家)

『ソフト/クワイエット』は5月19日より全国公開。

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