女性嫌悪、外国人恐怖症…古代の“魔女狩り”は復活している? 村の信仰と呪縛描くホラー『ナイトサイレン/呪縛』
『ナイトサイレン/呪縛』より冒頭映像が公開
2022年ロカルノ映画祭金豹賞(最高賞)、2022年シッチェス映画祭最優秀長編ヨーロッパ映画賞を受賞した現代の魔女狩りフォークホラー映画『ナイトサイレン/呪縛』。本作より、20年前に起きた少女失踪事件のきっかけとなる冒頭映像を紹介する。
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人里離れた村で暮らす姉のシャロータと妹のタマラは、母親の虐待から逃げ出すことを決意したが、逃げ込んだ森の中で恐ろしい事故に遭ってしまう。それから20年、消息を絶っていたシャロータは、亡くなった母親の遺産を整理するため村に戻るも、彼女を受け入れる者はいなかった。村が夏至祭に近づく中、彼女が過去のトラウマと対峙するほどに人々は疑念を募らせてゆくが…。
監督を務めたのは、本作が長編2作目となるテレザ・ヌヴォトヴァ。主人公シャロータを演じるのは、『プリンセス:ルーパー』(19年)などで知られるナタリア・ジェルマーニ。シャロータに唯一心を開くミラにエヴァ・モーレス、『アウシュヴィッツ・レポート』(21年)に主演したノエル・ツツォルが脇を固める。
今回紹介するのは、20年前に起きた少女失踪事件のきっかけとなる冒頭映像。「ヨーロッパには今もなお民間伝承や中世の迷信を信じて暮らす人里離れた村がある」というテロップのあと、暗がりで頭を抱えている幼いシャロータが、激昂した母親に髪の毛を掴まれるシーンから始まる。シャロータは家から逃げ出すが、その後を妹のタマラが追いかけてくる。シャロータが「放っといてよ」と振りほどいた瞬間、タマラが崖下に転落し…。
ヌヴォトヴァ監督は「『ナイトサイレン/呪縛』は“女性らしさ”にまつわる神話や慣習を払拭しようとする作品です。女性嫌悪、外国人恐怖症、集団ヒステリーが蔓延する現代において、古代の信仰が復活していることをテーマとしています。女性が火あぶりにされることこそ現代ではなくなりましたが、そのセクシュアリティや感情、出産の選択が標的になっていることに変わりありません。貼られるレッテルが変わっただけです。本作は従来の道を進むことを拒否するという自由について語った作品です」とコメントを寄せている。
『ナイトサイレン/呪縛』は8月2日より全国公開。
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