描きたかったのは“ボブ・ディランが誕生した瞬間”だった？『名もなき者』ジェームズ・マンゴールド監督インタビューが公開

ジェームズ・マンゴールド監督がディランとの製作秘話を語る

ティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを熱演する映画『名もなき者／A COMPLETE UNKNOWN』より、ジェームズ・マンゴールド監督がディランとの製作秘話を語るインタビュー映像を紹介する。

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本作は、20世紀最大のカリスマ、ボブ・ディランの栄光と苦悩が重なり合う“伝説の原点”を描いた青春映画。60年代初頭、ニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳の無名ミュージシャンだったディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく。

キャストには、ディランを演じたシャラメのほか、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルック、ダン・フォグラー、ノーバート・レオ・バッツ、スクート・マクネイリーら名優たちが集結。監督を務めるのは、『LOGAN／ローガン』（17年）で第90回アカデミー賞脚色賞にノミネートされた名匠ジェームズ・マンゴールド。

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昨年1月25日に米国で公開された本作は、多くの観客から熱狂的な支持を受け、全米最大の映画レビューサイト「ロッテントマト」では、観客スコアで驚異の96％Fresh（1月28日現在）を記録。さらに、1月26日には興行収入6290万ドルを突破し、1月17日に公開されたイギリスでも2週連続週末興行収入No1の大ヒットを達成した。

日本時間1月23日に発表されたアカデミー賞ノミネートでは、マンゴールド監督が作品賞と監督賞にノミネートされたほか、シャラメが主演男優賞、ノートンが助演男優賞、バルバロが助演女優賞にノミネートされるなど、主要部門を総なめ。脚色賞、音響賞、衣裳デザイン賞も含め、計8部門でのノミネートという輝かしい結果を収めており、本戦の発表が待たれる。

今回紹介するのは、マンゴールド監督が自身の言葉で本作の製作秘話をたっぷり語っている濃厚なインタビュー映像。本作製作以前に抱いていたディランへの印象からはじまり、作品を手掛けることになったきっかけや、この映画で描くべき物語の軸についてを自ら解説している。「この映画で描きたかったのはニューヨークで“ボブ・ディラン”が誕生した瞬間です」と明かすなど、映画を見る前に予習するにはもってこいの内容だ。

マンゴールド監督は、ディラン本人と話し合いを経た上で本作製作に挑んだという貴重なエピソードも披露。「（ディラン本人に）何度も会いましたし彼は脚本も読みました。正確に描けるよう、積極的にアドバイスしてくれました」と、ディラン自身がどのように本作と向き合っていたのか、その一部を明かしている。

若きディラン役を見事に演じきったシャラメについては、「同世代の中で最高の俳優の一人です。直感的な演技ができる優秀な映画俳優であり驚くほど変幻自在に役を演じることができます」と称賛。劇中ではシャラメ自身が歌い、ギターとハーモニカの演奏も行う圧巻のパフォーマンスを披露しているが、初めてシャラメの演奏を聞いたときからその期待値は高まっていたそう。

「最初から卓越していたのではなく、彼は何年も努力しました。一定のレベルに達した後も力強さと腕前は上がり続けました。撮影中にディランの人生を生きることでより良くなりました」と、シャラメの並外れた熱意とたゆまぬ努力の結果、魂の熱演と言える圧巻のパフォーマンスがスクリーンに刻み込まれたことを明かしている。

本作でのシャラメの演技は世界中で絶賛されており、ディラン本人がSNSで「主演のティミー（ティモシー・シャラメ）は素晴らしい俳優だから、真実味のある私を演じてくれるだろう」と言及するほど。ディランと同年代のもう一人のレジェンド、ニール・ヤングも、「この映画はボブの人生と音楽への素晴らしい賛辞です。ボブの音楽が好きならこの映画を見るべきです。私は大好きです」と自身のサイトでコメントしている。

映像の最後には、「日本のディランファンにとってはワクワクする内容でしょう。ディランの作品を知らない人にとっても入門としてお薦めします。ティモシー・シャラメの演技も最高なのでファンなら見るべきです。彼の最高傑作の一つですから！」と自信たっぷりにメッセージを贈る姿も映し出されている。

『名もなき者／A COMPLETE UNKNOWN』は2月28日より全国公開。