細田監督「人は何のために生きるのかを問う、骨太な力強い映画を目指したい」
細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』が、2025年11月21日より劇場公開されることが決定。舞台となる“死者の国”や復讐心に燃える王女スカーレットのカットを満載した特報と、スカーレットの純白のドレスが血に染まる衝撃のティザービジュアルが公開された。
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『時をかける少女』(06年)『サマーウォーズ』(09年)『おおかみこどもの雨と雪』(12年)『バケモノの子』(15年)『未来のミライ』(18年)、そして『竜とそばかすの姫』(21年)を手掛けたアニメーション映画監督・細田守。
これまでに多くの日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞を受賞し、『未来のミライ』では日本を飛び出してアニー賞受賞、米国アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネート。『竜とそばかすの姫』では、世界最高峰の権威を誇る、第74回カンヌ国際映画祭オフィシャル・セレクション「カンヌ・プルミエール」部門に正式招待されるなど、日本のみならず世界中の観客を魅了し続けてきた。
昨年12月23日に行われた製作発表会見において、前作から4年の年月を経て制作中の最新作『果てしなきスカーレット』が解禁され、主人公の王女・スカーレットが描かれたスーパーティザービジュアルが公開。細田監督は「『竜とそばかすの姫』での“U”の世界で手ごたえを感じ、本作ではまったく新しいルックでアニメーションの可能性を広げたいと思った」と本作に懸ける並々ならぬ想いを語った。
薄暗い空のもと、剣を腰に差した女性が、力強い視線で遠方の光を見つめているスーパーティザービジュアルからは、これまでのスタジオ地図・細田作品とは大きく異なる展開を予感させ、最新作への期待が高まっていた。
『果てしなきスカーレット』(C)2025 スタジオ地図
そしてこの度、本作が2025年11月21日に劇場公開されることが決定した。日本公開に続き、12月12日よりアメリカでも劇場公開される。
今作の主人公・スカーレットは、とある国の国王である父を殺された王女。しかし、その復讐に失敗したスカーレットが目を覚ますとそこは“死者の国”だった―。
狂気にあふれたこの“死者の国”では、宿敵に復讐を果たし、“見果てぬ場所”にたどりつかなければ〈虚無〉となり存在が消えてしまうと言う。スカーレットは〈虚無〉とならずに、宿敵に復讐を果たすことができるのか。果てしなき復讐への旅路が始まる──。
「人は何のために生きるのかを問う、骨太な力強い映画を目指したい。今、この『生きる』という大きなテーマを、観客と一緒に考えたい」――そんな、細田監督の想いから本作は始まった。
改めて細田監督は「2021年にコロナ禍があり、世界はコロナというウイルスに対し一致団結していたように思っていました。ところが2022年、それが終わりかけたタイミングに世界のあちこちで戦争が起こり、世の中がカチッと悪い方向に変わった感覚がありました。平和ではない世の中をどうやって生きていくべきなのか、ということの答えを、世界中の人が求めている。今作品を作るなら、そういうみんなの切実な気持ちに対し、向き合って映画を作るべきじゃないか、というところから『果てしなきスカーレット』という作品を発想したんです」と、本作を製作するきっかけについてコメントした。
また、「世界で起こっている出来事を見ると、深い遺恨や復讐心が次々と生まれてしまう状況だと感じています。『復讐』すれば『報復』がある。どこかでそのループから抜け出さないといけないけれど、簡単に抜け出せるような甘いものではない。映画の中で『復讐』せざるを得ない状況に主人公が追い詰められたら、どのような行動をとるべきなのか? 課題を突き付けられた気がしました。それで“復讐の物語”を作ろうと思ったんです」と、今作のテーマを「復讐」とした理由を明かしている。
今回解禁されたのは、本作の主人公である王女・スカーレットの純白のドレスが血に染まりながらも、手には鋭い剣を持ち、たくさんの死体の上から鋭い表情でこちらを見据えているティザービジュアル。「生きるべきか。」というキャッチコピーは、スカーレットの心の内の葛藤なのか、それとも、わたしたち観客への問いかけなのか…。
スタジオ地図・細田作品を象徴する、主人公と“青空”や“入道雲”が描かれた、見る人の心を明るくするビジュアルからは一変。鬼気迫るスカーレットの表情が印象に残る、狂気をはらんだ衝撃ビジュアルとなっている。
初解禁となる本編映像では、宿敵への復讐を果たしに旅に出る王女・スカーレットと砂漠に覆われた“死者の国”と呼ばれる世界のカットが多数公開。砂漠の中にそびえ立つ荘厳な城や密集するたくさんの人々、火山、雷など繊細なタッチで描かれた“死者の国”の様子や、竜の存在も明らかとなった、わずか30秒ながらも1カット1カット見逃すことができない映像となっている。
また、そんな世界を生き抜くべく、剣を抜きながら険しい表情で迫るスカーレットも登場。たくさんの兵士相手に一人戦うシーンや顔中砂まみれになっている姿など、鬼気迫る表情も映し出される。一方、汚れ一つない純白のドレスを身にまとったスカーレットも姿を見せる。どんな展開が待っているのか、本編への期待が高まるシーンが満載だ。
さらに、本映像にてスカーレットの声が初解禁となった。「ここは…?」とスカーレットが、目線の先にいる人影に問いかける。問いかけた相手は誰なのか、どのように物語に関わってくるのか? そして、果てしなき復讐劇に身を投じるスカーレット役はいったい誰なのか? 今後の情報解禁に注目したい。
■細田守監督コメント
この作品を考え出したのは2022年3月頃です。
2021年にコロナ禍があり、世界はコロナというウイルスに対し一致団結していたように思っていました。ところが2022年、それが終わりかけたタイミングに世界のあちこちで戦争が起こり、世の中がカチッと悪い方向に変わった感覚がありました。日常だと思っていたものが崩れていく様子を毎日ニュースで僕らは知ることになる。自分自身が生きていること、過ごしている世の中、そして今のこの平和というものは非常に危ういものだと、ショックを受けました。
平和ではない世の中をどうやって生きていくべきなのか、ということの答えを、世界中の人が求めている。答えがあるのかないのかわからないけれども、みんなどうしたら争いが解決するのか、どうしたら僕らは安心して生きていけるのか、という答えをみんな必死に探している。今作品を作るなら、そういうみんなの切実な気持ちに対し、向き合って映画を作るべきじゃないか、というところから『果てしなきスカーレット』という作品を発想したんです。
世界で起こっている出来事を見ると、深い遺恨や復讐心が次々と生まれてしまう状況だと感じています。「復讐」すれば「報復」がある。その連鎖は延々終わらない。どこかでそのループから抜け出さないといけないけれど、簡単に抜け出せるような甘いものではない。映画の中で「復讐」せざるを得ない状況に主人公が追い詰められたら、ないしはもし僕らが追い詰められたとしたら、どのような行動をとるべきなのか? 頭では「復讐」のループを断ち切らないといけないと分かっていても、感情的にそんなことが可能なのか? 課題を突き付けられた気がしました。それで“復讐の物語”を作ろうと思ったんです。
『果てしなきスカーレット』は2025年11月21日に劇場公開。
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