イ・ヨンエの息子を捜し続ける母親の複雑な表情
韓国で記録的高視聴率を獲得し、日本を含むアジア全土で大ブームを巻き起こしたドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」(03)で一躍国民的スターとなったイ・ヨンエ。私生活での結婚、子育てを経て、パク・チャヌク監督作『親切なクムジャさん』(05)以来14年ぶりのスクリーン復帰作!
本作でイ・ヨンエが演じるのは、6年前に失踪した息子を捜し続ける看護師のジョンヨン。目撃情報をたよりにたどり着いた漁村で出くわした怪しげな一家に阻まれながらも、真実を追い求めて粘り強く我が子を探し続ける母親を演じている。14年ぶりの復帰作となった本作について、イ・ヨンエは「緻密で完璧な演劇の台本を読んでいるようだった」とコメント、さらに「思いがけず長期間、女優の仕事を休んでいた私にとって、長い間待った甲斐のある作品だと確信した。本当に観てもらいたいと思える作品です」と、製作報告会で語っている。
監督は、イ・チャンドン監督作『シークレット・サンシャイン』(07)などにプロダクションアシスタントとして参加し、本作で長編劇映画デビューを果たしたキム・スンウ。さらに、話題沸騰中のドラマ「梨泰院クラス」のユ・ジェミョン、7月より日本でも放送開始のドラマ「夫婦の世界」のパク・ヘジュンら実力派俳優たちが脇を固めた。
今も世界各国で起こり続ける行方不明事件、児童労働といった現代社会の闇を背景に、一級のサスペンス・エンタテインメントに仕上げた手腕は、ホ・ジノ監督(『八月のクリスマス』)から「最初から最後まで一瞬も目が離せない!」と絶賛され、トロント、シカゴ、ロッテルダム、香港など世界各国の国際映画祭でも高い評価を受けた。
今回解禁となった本編映像は、イ・ヨンエ演じるジョンヨンと、パク・ヘジュン演じる夫・ミョングクが、「行方不明家族捜索の会」のスンヒョンと共にある家庭を訪れるシーン。
車中で繰り広げられる夫婦のさりげない会話から、辛く苦しい状況を夫婦で支え合いながら乗り越えていこうとする様子が伝わる。また、実生活でも母親になったことによって、「あらゆることを立体的に感じて表現することができたし、母親になったからこそ、とてもつらかったです」とイ・ヨンエ本人が語る通り、その後に続くシーンでは、息子を捜し続ける母親の複雑な気持ちが表情に現れている。
2020年9月18日公開
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