“奇祭映画”の金字塔が47年の歳月を経て再び
2020年8月に新宿 K’s cinemaにて開催された「奇想天外映画祭 vol.2」で全回満席の大反響を巻き起こした『ウィッカーマン final cut』が、皆さまの熱きリクエストを受け単独公開が決定!呪われた“奇祭映画”の金字塔が、47年の歳月を経てfinal cut版として再びよみがえる!
ある島で少女が行方不明になったと書かれた匿名の手紙が、スコットランド本土のハウイー警部のもとに届く。警部は早速、島に上陸し捜査に取り掛かるが、島民たちは誰もその少女を知らないと言い張り、少女の母親までが娘の存在を否定している。早速、翌日から本格的な聞き込み調査を開始するが、怪しげな出来事ばかりが起こる中で、この異教ケルトの神々を信仰する島の人々を統治するのが、サマーアイル卿であることが分かり屋敷を訪れる。しかしそれは狂乱と神話の儀式にハウイーが巻き込まれる幕開けとなるのであった…。
劇中で強烈な印象を残すサマーアイル卿を演じているのは、『ロード・オブ・ザ・リング』や『スター・ウォーズ』で知られるクリストファー・リーだ。リー自身は、本作を「この映画こそ私の最高傑作」と語っている(※「Total
Film」2005年5月のインタビューより)。
しかし、本作が公開されるまでには様々な悲劇があった。1973年当時、完成したその作品を、映画会社ブリティッシュ・ライオンのトップが気に入らず、宣伝告知などを一切せずにニコラス・ローグ監督『赤い影』と併せて公開。しかもそれは、監督が編集した102分バージョンでなく88分の短縮版であった。ネガフィルムも紛失し、長らく行方不明の状態が続いていたが、40周年記念となる2013年にフィルムが見つかり、監督自らが再編集をした94分のバージョンが今回のfinalcut版となる。そんないわくつきの作品だが、昨年大ヒットした『ミッドサマー』(2019)の監督アリ・アスターもその影響を公言しているなど、一部では熱狂的に支持されてきたカルト作が日本でようやくの公開となる。是非『ウィッカーマンfinalcut』を劇場で目撃して欲しい。
2020年10月17日公開
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