ウォーホルやシナトラらセレブが参加した黒と白の舞踏会
『ティファニーで朝食を』(58)、『冷血』(66)など多くの傑作小説を残した20世紀アメリカ文学界を代表する作家トルーマン・カポーティ。その素顔に迫る文芸ドキュメンタリー『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は、全世界公開に先駆けて2020年11月6日よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー。
今回、『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』の最大の見どころのひとつである「黒と白の舞踏会」の華やかな様子を伝える本編映像が解禁となった。
1965年に発表した『冷血』(66)の大ベストセラーとなったカポーティが主宰し、招待客はNY社交界の名士から世界のセレブリティたち。NYタイムズ紙に招待客のリストが掲載され「招待されたが断ったと嘘をついたらすぐバレる」、まさに選ばれし者だけが参加できた伝説の舞踏会。主賓であるワシントン・ポスト紙発行人キャサリン・グラハム、アンディ・ウォーホルやフランク・シナトラ、マイケル・ジャクソンやヘンリー・フォンダ、スティーヴン・タイラーなど、当時最も輝いていたセレブたちが続々と集う。
映像では、「インタビュー」「ヴォーグ」の編集者を務め、アフリカ系アメリカ人の流行仕掛け人となったファッションデザイナー、アンドレ・レオン・タリーが登場し、「今でも語り草だ。このグランド・ボールルームで伝説が生まれた。すぐヴォーグ誌の記事を破り部屋中に張った。壁を埋め尽くすほどぎっしりね」と、当時この舞踏会がいかにセンセーショナルに取り上げられたかを証言している。パーティーの模様を捉えた当時のニュース映像では、「命令に従い女性たちは仮面をつけ、気の毒なマスコミも命令通り扉の外で距離を取って陣取ります」というキャスターの声に導かれて、華やかなドレスにミステリアスな仮面をつけたセレブレティたちの姿が次々と紹介される。「ゲストはローマ、ハリウッド、ヴェネチアなど世界中から駆けつけました。このためだけに!」と、一夜にしてニューヨーク社交界の伝説が生まれたのだ。世界が注目したカポーティも黒いマスクをつけて多くの招待客に囲まれ、笑顔を見せている。
時代の寵児となったカポーティは、1975年に未完の絶筆となった『叶えられた祈り』の第一部を発表する。しかし、そのスキャンダラスな内容が大きな物議を醸し、栄光から転落へと彼の人生を大きく変えていくことになる――。
2020年11月6日公開
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