米軍戦車を一般市民が阻止した事件の真実に迫る
世界最強の戦車に立ちはだかったのは、武器を持たない一般市民だった。知られざる100日間の真実に迫る、驚愕のドキュメンタリー!『戦車闘争』。日米安保改定から60年の今年最後、なかなか映画で描かれることのなかった当時の空気を肌で感じる104分。…いったい、日本は誰のもの!?
ベトナム戦争終盤を迎えていた1972年、アメリカ軍は破損した戦車を神奈川県相模原市の相模総合補給廠で修理し、再び戦地に送るべく横浜ノースドックへ輸送していた。「アメリカの戦争に加担するなんて許せない!」と憤った市民がノースドック手前で座り込みを敢行。戦車の輸送は断念された。それをきっかけに相模総合補給廠の前にはテントが立ち並び、およそ100日間におよぶ抗議活動がはじまった。映画『戦車闘争』は、座り込みに参加していた者から彼らを排除する側まであらゆる当事者、さらには専門家など総勢54人の証言によって、この日本現代史上希に見る政治闘争の顛末を明らかにする白熱のドキュメンタリー。
機動隊との激しい攻防。一般市民のみならず、各政党、過激派、学生運動家や市民運動家入り乱れての団結と混乱。輸送を請け負った業者や地元住民の葛藤。実際に戦車の前に立ち塞がった者の生々しい記憶。そしてアメリカと国民との板挟みになった市長や政府の対応。膨大な資料を元に様々な視点から当時の熱量を余すところなく伝えるとともに、現在の日本とアメリカの関係や憲法の抱える問題点を浮き彫りにする。
監督は社会派ドキュメンタリー番組などを多く手がけ、本作が初の劇場公開作となる辻豊史。プロデューサーは『休暇』(08)『ホペイロの憂鬱』(18)といった劇映画を手がけ、本作ではインタビュアーも担当する相模原市在住の小池和洋。またミュージシャンや俳優として長きにわたり先鋭的な活動を続ける泉谷しげるがナレーションを担当。
天下の米軍を相手にした戦いの行き着く先は?そのとき政府はどう動いた?そして50年経って社会はどう変わった?日米安保改定から60年の今年最後、なかなか映画で描かれることのなかった当時の空気を肌で感じる104分。…いったい、日本は誰のもの!?
2020年12月公開
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