ドゥニ・ドー監督は高畑勲監督を尊敬、「日本公開は僕の夢」
第42回アヌシー国際アニメーション映画祭で見事グランプリを獲得した『FUNAN フナン』を2020年12月25日よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネ・リーブル池袋ほかにて公開。「日本公開は僕の夢」ドゥニ・ドー監督からのメッセージ映像が到着!
本作は、ポル・ポト率いるクメール・ルージュに支配された1975年以降のカンボジアを舞台に、息子と離れ離れになってしまった母親チョウの激動の日々を描く。
監督、脚本はNetflixとの提携も発表された名門アニメーションスクール、ゴブラン・レコール・デュ・リマージュ出身のドゥニ・ドー。フランス生まれでカンボジアにルーツを持ち、自身の母親の体験を基に、クメール・ルージュの支配とカンボジアの人々の抵抗を描いた。長編初監督作品ながら、”高畑勲監督の名作『火垂るの墓』に続く芸術大作”(Variety)、”アニメーションの可能性を広げた”(Indiewire)など、世界中で高い評価を受け、エミール賞では脚本賞とサウンドデザイン賞を受賞した。アートディレクターには『怪盗グルーの月泥棒 3D』で主要アニメーターを務めたミッシェル・クルーザ。
「こんにちは、みんな」という日本語のあいさつに続き、「日本のアニメを見て育ち、憧れてこの職業に就いた」と日本での公開についての喜びを語るドゥニ・ドー監督。
主人公チョウのモデルである彼の母親、そして離れ離れになってしまうソヴァンのモデルである彼の兄が経験したクメール・ルージュ時代を描いた本作について「個人的な思い入れが強い作品」と語る。生き抜いた自身の家族への敬意を表すと同時に、1970年代カンボジアの歴史の証言としての一面をも担う本作。「この作品に携わったスタッフ全員の気持ちがこもっている作品なので、スクリーンでたくさんの人に観てもらいたい」と述べた。
「日本のアニメーションは特別。作品のレベルや多様性はもちろん、アニメーションで様々な人間の営みを描く事を受け入れる文化が成熟していることがとても羨ましい」とかつて語った監督。「『火垂るの墓』以来の芸術的な大作」(Variety)というレビューもあった本作だが、監督は高畑勲監督を尊敬しており、「『FUNAN フナン』を見てもらうことができなかったのが本当に残念」とも話していた。自らのルーツを問い、母親の証言から歴史を描き、世界中へ羽ばたいた本作。
『FUNAN フナン』は2020年12月25日公開
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