ブータンの僻地に赴任した若き教師が本当の豊かさを知る
第93回アカデミー賞国際長編映画賞ブータン代表作品!知られざる、ブータンの“秘境”の物語『ブータン 山の教室』は2021年4月3日公開。ブータンの秘境ルナナ村に都会から赴任した若き教師と村の人たちや子どもたちの心の交流を描く。
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標高4,800メートルの地にあるブータン北部の村ルナナ。ブータン民謡が響きわたるこの村で暮らすのは、大自然とともにある日常に幸せを見つけ生きる大人たち。そして親の仕事の手伝いをしながらも、“学ぶこと”に純粋な好奇心を向ける子どもたちだ。写真家としても活躍するブータンの新鋭パオ・チョニン・ドルジ監督は長編デビュー作となる本作で「ブータンの独自性を記憶に焼き付けたい」と人々の笑顔あふれる暮らしを圧倒的な映像美で映し出した。
今回解禁となった予告編は、若手教師のウゲンがブータンで一番僻地にある学校への赴任を告げられる場面から始まる。
密かに教師を辞めオーストラリアに行くことを夢見る彼は「無理だと思います」と即答するが、結局険しい山道を登り一週間以上かけてルナナ村へ。そこには電気も水道もなく、学校は埃まみれ。戸惑いを隠せないウゲンを迎えにきた生徒のペム・ザムに急かされ向かった教室には先生の到着を待ちわびていた子どもたちが。自己紹介を兼ねて「大きくなったら何になりたい?」と尋ねると、ある生徒が真っすぐに先生を見つめながら「将来は先生になりたいです。先生は未来に触れることができるからです」と言う。伝統歌「ヤクに捧げる歌」の歌声が響き渡る山の教室で楽しそうに学ぶ子どもたち。その姿が次第にウゲンの心を動かし始める―。
パオ・チョニン・ドルジ監督は「“国民総幸福の国”と言われるブータンは、世界で最も幸せな国であると言われています。しかし、そこでいう“幸せ”とはいったい何を指しているのでしょうか。ブータン人はみな、本当に幸せと言えるのでしょうか。皮肉なことに、多くのブータン人がそれぞれの幸せを求め、華やかで近代的な都市に移住するようになっています。この作品で、私は主人公ウゲンの“幸せを探す旅”を描きたいと考えました。彼は、自分の夢を叶える旅に出る前に、自分では考えもしなかったような旅を強いられることになります。彼は、“現代社会”という言葉からはほど遠い世界に渋々身を置くことになるのです。この旅を通して、彼は自分自身が必死に探しているものが何かを理解し、幸福とは終点ではなく、旅の途中にあるということを悟るのです」と本作への思いを語る。
生徒役のペム・ザムはじめ、本作に登場する多くの人々は実際にルナナで暮らす村人たち。お互いに助け合い、素朴な暮らしをする彼らの姿は、現代を生きる私たちが忘れかけてしまった、「本当の豊かさとは何か」を教えてくれるだろう。
『ブータン 山の教室』は2021年4月3日公開
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